CPM実践のポイントと実践例特集:データ経営でビジネスを制す(2/4 ページ)

» 2005年09月27日 19時04分 公開
[伊藤 雅彦,ITmedia]

CPMにかかる間接人員・コストの削減

 上記のように、連結ベースでの適切な管理を可能にする情報システムがなければ、人海戦術でしか対応できなくなる。結果として、特に予算作成業務や予実対比分析の領域において、効率の悪い業務プロセスができあがる傾向がある。

 たとえば、年次予算の策定に3カ月から6カ月も費やしている企業がある。この原因の多くは単に、業務工数やコスト面での非効率さだけではない。グループベースでの経営方針を策定したい経営トップが、予算承認前に本来実施しなければならない重要なアクションを起こしていないことによって、情報の精度に問題があるケースが多いことも見逃せない。

 その重要なアクションとは、分析やシミュレーションを事前に実施し、予算達成のための課題の認識や難易度の把握、さらに、外部に公表して株主にコミットできるという自信を経営トップが持つとまでの一連プロセスである。

 このような経営上の重要なプロセスが、時間がないことを理由におざなりにされてはいないだろうか。予算策定にかかるこうした一連のプロセスをシステム化することによって、「オペレーターをアナリストに変える」ような改革が可能になる。決算のスピード化と品質の向上という両方のニーズを満たすためには、ITを用いて解決を図る以外に方法はない。

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