中堅企業がITで利益を出してコストを削減するためのコツ「次世代」中堅企業はITで利益を出す(1/4 ページ)

中堅企業はITを活用して、どのようにビジネスを拡大していけばよいのか? 売り上げアップとコスト削減という2つの導入目的の観点からITを考え、確実に利益を残すための方策を考える。

» 2005年10月03日 07時00分 公開
[杉山 正二,ITmedia]

  杉山正二(アールエスコンポーネンツ 取締役)

 中堅企業はどのようにITを活用して、ビジネスを拡大していけばよいのか?

 このシリーズでは、中堅企業が持つ悩みにフォーカスし、担当者のヒントとなるような話をしていく。初回は、中堅企業に共通する「ITに関する悩み」を取り上げ、対応方法を検討する。2回目以降では、具体的な活用領域、たとえばITの売り上げアップへの貢献やコスト削減などにポイントを絞り、具体的な例を挙げながら話を進めたい。

 小規模な企業であれ中堅企業であれ、はたまた大企業であれ、多くの企業がIT活用に苦慮している。規模や複雑さの違いはあるにせよ、たいていは同じようなことで悩んでいるようだ。たとえば、本当にITを活用して業績が上がるのか、どの領域からITを活用していけばよいのか、ITを有効に活用できる人材がいない、ITコストは回収が難しい、などである。

ITで業績は上がるのか

 第一に、根本的な問題として「ITを活用して本当に業績が上がるのか?」という疑問にぶち当たるケースが多い。これに対する答えは、「ITをうまく活用すれば業績向上に貢献することは確かだが、単にコンピュータを導入したりIT投資を増やしたりしただけでは、効果は期待できない」であろう。

 ITは、単なるツールであってマジックではない。最新のクラブやボールを購入したとしてもゴルフのスコアが良くならないのと同じで、使い方が問題だ。また、練習するうちにうまく道具を使いこなせるようになるのと同様に、ビジネスにおけるIT活用も訓練が必要である。うまく活用できるようになるには多少の時間はかかる。

 現在のビジネス環境では、IT活用の良否が業績に直接結びついてしまう。経営者、管理者であれば、「絶対に業績に結び付けるんだ」という強い気持ちでIT活用をリードしなくてはならない。

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