次に悩みの種となるのが人材である。大企業と違って、中堅企業の多くが人材不足に悩まされている。ましてやIT活用ができる人材など社内のどこにもいないと嘆く経営者や管理者も多いかもしれない。
だが、これは本当に中堅企業だけの悩みなのか。人材に関しては、大企業も含めて、どの企業も同じように苦労している。かく言う私の会社も例外ではない。ITを活用できる人材の育成には常に苦労している。
ただし、人材の確保にはポイントがいくつかあり、それを押さえればなんとかなるはずだ。
まずは、核となる人材(最低1名、できれば2、3名)を見つける。核となる人材に求められる第一の資質は、自社のビジネスがよく分かっていて、IT活用の目的を理解しており、社内でリーダーシップを発揮できる人だ。加えて、プロセス思考ができ、業務の仮説検証ができること。必ずしもITの経験は必要ない。核となる人材がどうしても見つからない場合には、外部から採用したり、短期的には外部コンサルタントを活用したりすることもやむを得ない。
ただし、中期的には必ず社内に育成すべきである。核となる人材にメドがついたら、実際に組織やチームの中心となって業務でITを活用する人を、会社の規模や業務の複雑さに応じて、数名から十数名で育成する。その要件は、データに基づいた議論ができ、仮説検証が行えることである。
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