Java誕生10周年、メモリアルイヤーを締めくくるのはJavaOne Tokyo

JavaOne Tokyoが11月上旬に開催される。スペックリードが大挙来日して技術セッションが行われるほか、Javaと.NETの相互運用性をテーマにした「インターオペラビリティトラック」も用意される。

» 2005年10月01日 00時32分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 異様な熱気に包まれたJavaの鮮烈デビューから10年が過ぎた。もはやJavaなしではビジネスの革新も難しく、また、さまざまなデバイスに組み込まれている現状を目の当たりにすると「Javaなしで地球は回らない」というサン・マイクロシステムズのメッセージもあながち誇張とはいえない。

 いずれにせよ、Javaの普及と応用の広がりは、サン自身の期待を遥かに上回るスピードだ。サンは10周年となる今年、既に3月のJava Computing 2005 Springと6月のJavaOne 2005 San Franciscoを開催し、11月の「JavaOne 2005 Tokyo」でメモリアルイヤーを締めくくる。

 そのJavaOne Tokyoでは、メモリアルイヤーにふさわしく、サンフランシスコのJavaOneと同様、Javaの前身であるOakのグリーンプロジェクトから携わってきたスタッフを招待しており、バースデーケーキで10周年を祝うという。

 「現時点で名前は伏せているが、黎明期からJavaに携わってきたスターを基調講演に招待している」と明かすのは、サンでJavaテクノロジーエバンジェリストを務める石原直樹氏。

 展示フロアにも10周年を盛り上げる「記念ゾーン」が設けられるという。

スペックリードが大挙来日

 JavaOneはデベロッパーズカンファレンスであり、ここでしか学べないテクニカルセッションも健在だ。JCP(Java Community Process)で仕様策定に重要な役割を果たしているスペックリードらが今年も大挙来日する。

 「これだけのスペックリードがそろうのはJavaOneだけ」と石原氏。

 Javaのデベロッパーらにとっては、開発の最前線にいるスペックリードの話を聞いたり、彼らに意見を直接ぶつけられるのはJavaOneしかない。

 多くのセッションの中で毎年、ナンバーワンクラスの人気を集めているのが、「Still More Programming Puzzler」。「Effective Java」の著者として知られるジョシュア・ブロック氏とニール・ガフター氏がスピーカーとなり、クイズ形式でJavaの文法を確認できるお馴染みのセッションだ。

 J2EEの開発を変えるといわれているEJB 3.0だが、中でも「Persistence API」の存在は大きな意義がある。「The New EJB 3.0 Persistence API」と題されたセッションは、EJB 3.0をいち早く理解したい開発者には見逃せない。EJB 3.0の共同仕様策定者であるリンダ・デミッチェル氏、TopLinkの開発で知られるマイク・キース氏、そしてJavaとRDBMSのO/RマッピングフレームワークであるHibernateの開発で有名なギャビン・キング氏という豪華トリオがスピーカーを務める予定だ。

MSと共同でインターオペラビリティトラック

 今回鳴り物入りで用意されるのが、Javaと.NETの相互運用性をテーマにした「インターオペラビリティトラック」だ。ネットワークアイデンティティーやWebサービスベースの連携が大きなテーマとなるほか、混在環境をどう効率的に管理するかといったセッションも用意されるという。

 「サンとマイクロソフトの協業は、日を追うごとに進んでいる。JavaOne Tokyoでは最新の成果が学べる」と話すのは、ストラテジックマーケティング本部の伊藤敬部長。

 ハンズオンラボやコードキャンプも例年になく充実させるという。実際にソースコードを1行ずつ追いながら学んだり、カンファレンス後も無償のツールで復習できたり、最新のJava技術を仕事にすぐに役立てる良い機会となるだろう。

 なお、今年もまた、「Night For Java Technology」が会場近辺で行われる予定だ。Javaの開発者、ジェームス・ゴスリング氏が「過去のJavaOneの中でもとりわけクールだった。感動的でさえあった」と振り返るNight For Java Technologyは、Javaデベロッパーによるアプリケーションのデモンストレーション大会。今年もJavaOneを大いに盛り上げてくれるに違いない。

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