中堅向けERP市場で勢い増すオラクル

日本オラクルは10月17日、中堅企業向け戦略について紹介する記者向けのブリーフィングを行った

» 2005年10月17日 17時17分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 日本オラクルは10月17日、中堅企業向け戦略について紹介する記者向けのブリーフィングを行った。同社は、企業がERPを導入する上で、既存システムを正確に把握し、将来の情報システムについて的確な方向性を示す「モデリング・サービス」を5月に発表しており、同サービスとOracleNeOを連携させて、中堅企業へのソリューション提供を強化することを明らかにしている。

 同社アプリケーション本部長の石川正明氏は、中堅市場分野でのITリサーチで知られるノークリサーチの9月の調査「民間企業のITアプリケーションの利用実態と評価のレポート」を引用しながら、「日本オラクルの中堅向けビジネスは、対前年度比で2倍に増加し、順調に成長している」とアピールする。

建設、エンジニアリング業界ではOracleが最強のアプリケーションになったと話す石川氏。

 同社の中堅企業向けの取り組みは、2003年6月に立ち上げた「OracleNeO」が基盤だ。これは、中堅企業向けに、E-Business Suiteをより早く、低コストで導入するために、パートナーベンダーから提供される業種別テンプレートと導入サービスを併せて企業に提供するもの。

 大企業向けのプル型のビジネスと比較して、中堅市場では、顧客のビジネスと情報システムにより深く入り込み、プッシュ型のソリューション提供を行うことが分かる取り組みだ。当初20社だったパートナー企業は、現在は42社、12業種にわたる取り組みへと成長している。今後も業種向けのコンセプトで幅広く展開していくという。

 同社はOracleNeOとモデリング・サービスを連携させ、相乗効果を狙う考えだ。モデリング・サービスは、データの視点から企業の情報システムを詳細に分析することで、システムに必要な追加機能を明確化し、より正確なシステム設計を可能にするという。具体的には、導入企業が考える新システムの要件を、新業務フローや新画面/帳票解説書、機能一覧表と対比させることで、より正確な適合分析を図るなどの例が挙げられる。

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