Macromedia MAX 2005でリンチ執行副社長は、Flashプラットフォームのロードマップを明確にするとともに、αバージョンが公開されたばかりの「Flex 2」と「Flash Player 8.5」の詳細を説明した。
米国時間10月17日、Macromediaの年次カンファレンス「Macromedia MAX 2005」がカリフォルニア州アナハイムで開幕した。
オープニングの基調講演でスティーブン・イーロップCEOに続いて登場したチーフソフトウェアアーキテクト、ケビン・リンチ執行副社長は、Flashプラットフォームのロードマップを明確にするとともに、携帯電話機メーカーへの出荷が始まった「Flash Lite 2.0」や、αバージョンが公開されたばかりの「Flex 2」および「Flash Player 8.5」についても詳細を説明した。
Macromediaは7月、Flashプラットフォーム構想を発表し、Flash とその関連技術をリッチメディアに限らず、エンタープライズ向けのアプリケーションや、コミュニケーションおよびモバイルのアプリケーションのための統合プラットフォームとして展開していくことを明らかにしている。
リンチ氏は10月12日に国内でもリリースされた「Studio 8」から基調講演の話を始めた。
「150万人以上がStudio 8のトライアル版をダウンロードしており、凄く勢いがある。アップグレードも過去にないペースで進んでいる」とリンチ氏。
実行環境であるFlash Player 8のダウンロード数はイーロップCEOから「1億」と既に紹介されているが、そのアップデートサイクルの短さにも驚かされる。Macromediaは、1998年3月のFlash 3以来、クライアント技術の革新をほぼ12カ月から18カ月で継続してきている。
「Studio 8のリリースが始まったばかりだが、Flash Player 8が急速に普及していくため、開発者にとって新しい機能を活用し、よりリッチなユーザー体験を提供できるのだ」(リンチ氏)
統合プラットフォームとしてFlashとその関連技術を展開するMacromediaは、携帯電話機向けに「Flash Lite」を提供している。最新バージョンの2.0は、Flash Player 7ベースに改良され、スクリプト言語であるActionScriptも2.0へと引き上げられた。日本のデベロッパーらからの多くのフィードバックを得たといわれ、バージョン1では貧弱だったスクリプト言語が大幅に強化されている。また、携帯電話機に搭載されているカメラやGPSの機能を活用できるようAPIを拡張したほか、携帯電話機のビデオコーデックを利用してFlash Videoを再生する機能も追加されているという。
リンチ氏は、Flash Lite 2.0は既に携帯電話機メーカーに提供されており、彼らからこの技術が組み込まれた次世代の携帯電話機が将来出荷されるだろうことも明かした。
Flashプラットフォームのロードマップのうち、近い将来登場するものとしてリンチ氏が挙げたのが、「Flex 2」とそれに対応した「Flash Player 8.5」だ。
Flexは、Flashの開発経験がなくとも、Flashベースのユーザーインタフェースを自動で生成できるツール。オブジェクト指向のアプリケーションフレームワークである「Flex Framework 2」、Eclipseベースの統合開発環境である「Flex Builder 2」(コードネーム:Zorn)、そして既存システムのデータに接続する「Flex Enterprise Services 2」から構成され、既存のビジネスロジック層やインテグレーション層に手を加えることなく、プレゼンテーション層を強化し、RIA(Rich Internet Applications)を実現してくれるエンタープライズ向けの製品だ。
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