電子メールも分割して保護、日立が「メール割符」

日立製作所は10月19日、秘密分散法を電子メールに応用して盗聴や改ざん、誤送信による情報漏えいを防ぐ「メール割符」を発表した。

» 2005年10月19日 19時23分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は10月19日、データを分割してそれぞれを暗号化することにより、より強固なデータ保護を実現する「秘密分散法」を電子メールに応用した「メール割符」を発表した。同社はこれまでにも、秘密分散法を活用した情報漏えい対策製品「モバイル割符」を提供している。

 メール割符は、暗号化/復号化に必要なソフトウェアを搭載した専用USBメモリの形で提供される。このUSBメモリをPCに差し込んでメールを送信すると、本文と添付ファイルが自動的に複数のメールに分割され、それぞれが暗号化されて別ルートで送られる。

 受信側は分割されたメールすべてを受信し、さらに専用USBメモリによる認証を経ない限り復号できない仕組みだ。仮にどれか1つのメールが盗聴されたり改ざんされた場合は復元が困難になるほか、USBメモリを持たない相手に誤送信した場合も情報を読み取ることができない。

 さらに、メール割符でやり取りされた電子メールはすべて割符化された状態でPC内に保存されるため、万一PCごと盗難に遭った場合の情報漏えいも防止できるという。

 メール割符は既存のSMTP/POP3/IMAPサーバで利用できるが、クライアント側の対応ソフトはMicrosoft Outlook/Outlook Expressとなる。価格は、10ユーザーライセンス分のメール割符/専用USBメモリを含んだ基本セットが36万7500円から。10月21日より販売し、11月1日より出荷される。

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