次に、CRMの観点からIT活用が考えられる領域として営業支援がある。営業支援といっても、ひと頃に流行したSFAではない。営業業務のうち、自動化できる部分がない訳ではないが、そんなに簡単にいくはずがない。
IT活用を検討すべき領域は、営業プロセス管理とも言える領域である。営業担当者の行動を管理するのではなく、営業プロセスそのもの、その進捗を管理することにITを活用するのである。これによって、効率的な営業活動ができるようになり、売り上げや利益の向上につながる。
具体的には、お客さんとの取引段階をステータスで管理し、営業活動の進捗具合や、個々の営業担当者、営業チームのKPI(Key Performance Indicator = 主要業績指標)をモニターすることである。たとえば、企業の営業活動(この場合は、プロジェクト営業を想定)に照らして、顧客のステータスを設定する。
見込み段階、商談開始、RFI(Request for Information=情報提供依頼)段階、RFQ(Request for Quotation=見積依頼)段階、RFP(Request for Proposal=提案依頼)段階、提案に基づく交渉段階、契約段階、契約締結、などのステータスを設定する。このステータスに基づいて、個々の顧客がどのステータスにあるのか、その割合はKPIの目標値に対して、どの程度の進捗なのか、をモニターしていくのである。このようなステータス管理とKPIの管理も、IT活用で効率化、高度化が可能な領域である。
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