BEA World 2005 Tokyo開幕、IT資産の流動化に向けて革新を継続するBEABEA World 2005 Tokyo Report(1/2 ページ)

都内のホテルで「BEA World 2005 Tokyo」が開幕、約1000人の顧客やパートナーらが集まったオープニングの基調講演でグラハム氏は、エンタープライズITを簡素化する同社の革新について話した。

» 2005年10月25日 17時57分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 「10年経っても野球が球を投げて打つスポーツであることに変わりないが、ITは大きな変わった」── こう話すのはBEA Systemsでプロフェッショナルサービスを統括するブルース・グラハム副社長。ロッテを日本一に導こうとしているボビー・バレンタイは10年前、テキサス・レンジャースの監督を務めており、グラハム氏自身はピッツバーグにあるWestinghouse Electric CompanyのIT部門で働いていたという。

IT部門で働いた経験を生かしてSOAのプロフェッショナルサービスを統括するグラハム氏

 10月25日、都内のホテルで「BEA World 2005 Tokyo」が開幕、約1000人の顧客やパートナーらが集まったオープニングの基調講演でグラハム氏は、「10年前、すべての社員、すべてのパートナー、すべての顧客をネットワークでつなぎたいと考えていたが、すべて実現している」と話した。

 ドットコムバブルの消失はあったものの、インターネットを基盤とするさまざまな技術が、ここへきてさらに大きく花開こうとしている。

 「RFID、VoIP……、すべてのものがネットワークにつながり、メッセージングの統合も進む。顧客のニーズの変化に対してより素早く反応するという夢もすぐに現実になる」とグラハム氏。

ソフトウェアインフラに「フォーカス」

 グラハム氏は、約30分の基調講演を通じ、企業顧客らが「夢を現実にする」ために、いかにBEAが欠かせないパートナーであるかをアピールした。

 1970年代、このITの世界は、1社か2社で企業のニーズは満たせた。しかし、Digital Equipment(DEC)のようなミニコンベンダーが登場、さらにMicrosoftがこの世界を一変させた。

 「Microsoftが“IBM”(巨人)になると、だれが想像できただろうか?」(グラハム氏)

 その後はご存じのとおり、ネットワークのCisco SystemsやストレージのEMCが、特定領域のスタックによって勝者(カテゴリーリーダー)となっている。

 「BEAは、インフラに構造を持ち込むことによって、エンタープライズITを簡素化し、既存のIT投資を保護する。その夢の実現にわれわれはフォーカスしている」(グラハム氏)

 BEAは1990年代、TuxedoやWebLogic Serverという「アプリケーションインフラストラクチャー」によって、さまざまなOSの違いを吸収し、アプリケーション開発の簡素化を実現してきた。しかし、SAPやOracleといったパッケージアプリケーションやJ2EEや.NETの上に構築されたカスタムアプリケーションが再びサイロを作り出してしまった。

 「まるで蜃気楼。やっとたどり着いたと思ったら消えた。2000億ドルものIT投資がロックインされ、IT資産は凍結されたままだ」(グラハム氏)

 こうしたサイロをうまくラップすべく、BEAが用意したのが6月に発表した「BEA AquaLogic」ファミリーだ。新しいプランディング戦略「Think liquid」を展開し、凍結されたIT資産の流動化に取り組むベンダーとしてアピールしている。

 アプリケーションインフラストラクチャーのWebLogic Serverに対して、BEAではAquaLogicファミリーを「サービスインフラストラクチャー」と呼ぶ。マーケティングを統括するフランツ・アマン副社長は、アプリケーションインフラが「ビル建築」、サービスインフラは「都市計画」にそれぞれ相当すると話している。Webサービスによる疎結合でシステムを柔軟に組み替えていく際に求められる機能を基盤として提供し、エンタープライズITを簡素化するのが、AquaLogicファミリーの役割だといっていい。

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