「IT経営百選」に見る理想の中堅企業WPC EXPO 2005 Report(2/3 ページ)

» 2005年10月28日 08時43分 公開
[宍戸周夫,ITmedia]

 「IT化で優れた取り組みをしている中小企業を経営モデルとして認定することで、その経営ノウハウを広め、伝えることができるというのが選定の目的。ここで認定した企業をひとつのモデルとして、他社もそれをどんどん乗り越えていってもらいたいというのがわれわれの願いである。上村孝樹日経BP社主任編集委員を委員長とする選定委員会を組織して2004年10月から募集を開始、書類選考の第一次審査を経て、監査法人やITコーディネーターなどで構成する委員会全員で手分けして個別ヒヤリングを行う第二次審査を行った。選考はビジネス戦略・経営改革の視点とIT高度活用の視点という2つの側面から行ったが、これはITと経営戦略という両面が重要との判断によるものだ」(野口氏)

 このような作業を通じて、2005年3月にはIT経営百選認定企業として、最優秀企業26社、優秀企業21社が公表された。最優秀企業26社は、すべて3年連続で利益を上げているところばかりである。

こだわりのビジネスモデルを生み出すものは

 今回認定された企業を見て印象的なのは、いずれも独自の、そしてこだわりのビジネスモデルを構築しているという点だ。中小企業だからといって大企業の下請けに甘んじるというところが全くない。

 野口室長も「どの企業も、勝負をかける“何か”を持っている。たとえばそれは、大企業にも負けない高い技術力であったり、あるいは、従業員満足度を向上するために利益をすべて従業員に配当する、つまり法人税は極力納めないというようなユニークな経営方針を持っていたりなどである。一方で、日本でも最高クラスのSCMを構築し、製造業ではどの店舗で何が売れたかをリアルタイムに把握し、売れないものは作らないという優れたシステムを作り上げている企業もある」とその特徴を話している。

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