ベリングポイントが経営管理の仕組みとしてのバランス・スコアカードを設計し、現場の皆さんと議論を重ねながら導入したケースの事例を紹介する。
エヌ・ティ・ティ・エムイー東北(当時)はバランス・スコアカードを導入して、経営陣から社員までのベクトルを合わせた戦略的経営を実行することを決定し、オラクルのバランス・スコアカードを実行するためのアプリケーションであるOracle BSCを採用して新しい経営管理システムを構築した。
まず、経営理念を具体的な戦略に落とすところから始め、各部部長の方針を確認しながら弊社がサポートしたワークショップを開催、全社的に部課長クラスを巻き込んで具体的な施策を「戦略テーマ」として形作っていった。
施策の進捗管理を定量的に可能とするKPI(主要業績評価指標)とその目標値についても現場を巻き込んだ議論により具体的に設定していった。新システムは、経営トップから社員まで利用する経営管理情報をひとつの玄関サイト(ポータル)にまとめた経営情報ポータルとして構築され、目標設定から月次の検討会までカバーし、PDCAを回していくための支援システムとして全社員1700名を対象に展開した。
ここでのポイントは、オラクルDBに対して、経理システムからデータの連動を図るとともに、既存の業務システムをできるだけそのまま用いて、経営管理ポータルとして作成した戦略マップを通してデータを活用できるようにしたことである。そうすることで、開発期間および費用を押さえるとともに、システムを使う社員にできる限り「いままで通り」の感覚を持ってもらいながら新しいシステムを立ち上げた。
制度ができ、システムが動き出したあとのインタビューでは、目標管理の浸透と、戦略を確実に実行する経営管理の実現、全社員の意識改革(同じ目線で経営状況を共有、把握できる仕組みを提供)、そして事業や業務における「計画」「実行」「見直し」「改善」によるサイクルの活性化(施策が止まらないPDCAの仕組み作り)に前進したとの答えが返ってきている。
このように、企業経営には行動と結果の因果関係が迅速に把握されることが求められ、それが次の計画の基礎ともなる。これら経営管理のPDCAをたとえばオラクルアプリケーションであれば、BSCのほか、Oracle Enterprise Planning and Budgetingにより予算編成のサポートも実現するなどベリングポイントでは経営管理のPDCAの実現をサポートしている。
豊國 成康(とよくに なりやす)
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