新しいポータルを提供するSharePoint Portal Server情報共有を成功に導くための7つのヒント(後編)

» 2005年11月01日 00時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

「良いポータル」で、今度こそ実現したい本当の情報共有

 座談会ではポータルを再定義すべきだとの意見が出た。マイクロソフト社内では、いまやチームWebサイトに無縁の人は1人もいないという。Word文書をメールに添付して全員に読んでもらうといったオペレーションが、すべてポータル内のチームWebサイトと呼ばれるワークスペースに移行しているのだ。マイクロソフトでは、SPSによるポータルなしに効率的な仕事ができないというほどポータルが社員の間に定着している。

 SPSは、全社レベルで情報発信するポータル機能と、チームレベルでのコラボレーション機能によって構成される。SPSは、ポータルのスコープとチームのスコープを両方持つため、従来ならばスコープの違いによりファイルサーバやグループウェアを使い分ける必要があった作業を、SPSという単一の傘の下で行えるようになった。エンドユーザーがコラボレーションする複数のチームWebサイトや個人用サイトが、SPSのポータルサイトに統合されているわけだ。

 SPSが提供する新しいポータルは、個人の作業を集約化する。自由度が高く手軽に使える共同作業場としてのワークスペース上で、エンドユーザーは情報をどのように見せれば効率的かを考え、情報を配信する。それらのワークスペースはサーバにポータルとして集約され、システム管理者によって合理的に一元管理される。共通のユーザーインタフェースとしてブラウザを用い、全社員が情報発信機能とコラボレーション機能をシームレスに活用する。これが、SPSが提供する新しいポータルの定義と言えるだろう。

 イントラネット上に置かれた単なるリンク集であった従来型ポータルや、ファイル共有やスケジュール共有ファイルを提供したサーバーやグループウェアといった個別のツールではなし得なかった、本当の情報共有を実現する「良いポータル」とは何か。それは、統一された基盤とルールの上で、従来は分断されていた情報発信と共同作業を、シームレスに連携する場を提供するポータルと言えるだろう。そうした「良いポータル」を構築する前提として、情報の精査がある。精査された情報が流通し、その情報を基に個人やチームが作り上げた有用な情報が、部門や全社に配信され共有される。有用な情報が新鮮な血液のように組織内で循環し、生産性を向上させる。従来の情報共有に満足できない企業は、今度こそ、本当の情報共有を実現するために「良いポータル」の構築に取り組んでみてはいかがだろうか。

「良いポータル」実現のための7つのヒント

 この座談会において、ポータルを活用して情報共有を成功させるためのヒントをいくつか拾い上げることができた。以下に、それらのヒントを紹介しよう。

[情報精査のためのヒント]

1.必要な情報を精査するために、日記をつけてみる

人は「必要な情報は何か」と問われてもすぐには思いつかないものだ。思いついたとしても、ありきたりのものしか出てこない。

ある企業では、営業担当がその日、朝から晩までに何を見て何をしたかをチェックしてみた。コンピュータの電子ファイルに限らず、紙を含む動きを調べた。すると、IT化できること、電子化されていないもの、電子化すると便利なもの、持ち出せると便利なものなどが浮かび上がった。このように日記をつけることで、日々の実際の動きを追い、本当に必要な情報を行動から割り出し、精査していく。この会社では、営業担当の行動に基づいて、ポータルで配信すれば便利になる情報を選んでいったのである。

倉庫業務の改善やキッチンの設計で動線を考慮するように、情報の動線を考えると必然的に必要な情報や情報の配置が決まる。

2.求められていることを洗い出すために、とにかく声を集める

現場の声を集めるか、経営者の声を聞くか。どちらの声を聞くかは、それぞれの企業風土、文化に合わせて決めるといい。アンケート、インタビュー、ログなど、声を集める手段はいろいろあるが、情報を精査するためにも、とにかく声を集めるのが基本だ。

たとえば従業員不満足度調査がある。情報共有に関する不満。不満の裏返しは満足だ。自分たちの判断基準、心の拠り所があると、ポータル構築プロジェクトは粘り強くなるものだ。声を集める文化、アンケートに答える文化が根付くと、声を集める道具としてもポータルは使いやすい。

アンケートは、突発のイベント的に行ってもデータの信憑性は低いから、定期的にとる、意図的に嫌がられるぐらいとる、定着化するまで繰り返しとることが重要だ。情報システム部門がプロジェクトをリードする観点では、そのぐらいの意地汚さがあっていい。

[ポータルの構築と運用のヒント]

3.親しみやすさ、見やすさ、カッコよさも実は重要

ポータル構築プロジェクトを立ち上げるとき、そのポータルに名前をつけると良い。一番良くないのは「次世代○○基盤プロジェクト」といったもの。これでは、まったく求心力がない。誰もが気軽に言えるキッャチーな名前、ビジョンを表わすようなネーミングがいい。エンドユーザーに近いところで発想すべきだ。

また、ポータルはパッと見たときの印象は大切だ。見やすさはとくに重要。同じことが書かれていても、デザインのインパクトで人のモチベーションはずいぶん変わるからだ。構築に際しては、システムに詳しい人と絵心のある人のコラボレーションが大切。できれば、デザイナーに支払う予算を確保したい。餅は餅屋に任せると、後工程が楽になる。

見易さ、デザインが工夫されているポータル画面

4.情報共有は「港で食べる魚がうまい」のと同じ

有用な情報をつくり出すのは人である。だから情報をつくった人にアクセスできる仕組みがポータルにあると良い。港で食べる魚が美味いのと同じように、情報を生み出している人にダイレクトにアクセスでき、コミュニケーションと直結している方が良いわけだ。情報を簡単に探し出せる仕組みと同時に、その情報を発信した人にもアクセスできる仕組み。ポータルにはそうしたインフラも必要だ。

ポータルが提供する個人の情報発信は、情報の鮮度を上げる究極の形。個人のエンパワーメントとなる。人と情報、人と人をつなげられる「良いポータル」にしたい。

ポータルサイトの検索で人を探し、さらに、コンタクトできるSPS2003

5.生き物のように自律的に成長する仕組みにする

ポータル構築に際しては、エンドユーザーにどこまでやらせるかを考える必要がある。エンドユーザーは情報をつくれば良いのだから、器をつくらせる必要はない。器をつくるということは、器を使うときのルールをつくること。エンドユーザーには、器のアイデアだけを出してもらえば良い。情報システム部門側でコントロールを利かせておき、それ以外はできるだけ自由にさせてやろう。

また、ブラッシュアップできる仕組みを用意すると良い。フィードバックできる仕組みを入れ、声を集めて改善していく手法。そうした仕組みを組み入れることで、ポータルそのものが生き物のようになり、改善されていく。

SPS2003はWebパーツを用いて柔軟にカスタマイズできる

6.ポータルはユーザーを選ばない

ポータルは社員全員のためにある。本来、ポータルはユーザーを選ばない。「ユーザーを選ばない」と言い切るためには、操作が簡単であることが大前提となる。さらに、同じ情報を全員に提供すれば良いわけではなく、精査された情報を的確に配信するために「パーソナライズ」機能が必要だろう。たとえば一般の従業員に配信すべき情報と、管理職に配信すべき情報は異なる。必要な情報を「適切に人に」提供するのがポータル導入後の次のステップになる。

SPS2003のパーソナライズ機能を使った的確な情報配信

7.キラーコンテンツが効く!

ポータルに現場の社員が喜ぶようなコンテンツを掲載すると注目度、利用頻度は高まる。たとえばライブカメラで配信する生の映像などだ。いわばキラーコンテンツ。そうしたコンテンツのネタは10個の揃えるのは無理でも、1個なら集められるかもしれない。その1個が決まれば、2個目は自然発生的に決まるかもしれない。

 コンテンツは、できればワクワク感のあるもの、次に何が出てくるかという期待感を持たせられるものが良いだろう。変化があるからユーザーはポータルを見に来るのだ。古いコンテンツは見飽きてしまうから、コンテンツの鮮度を保つ仕掛けも必要だろう。

情報システム管理者は、キラーコンテンツにアクセスしてもらうようメールでプッシュしてもいい。プルとプッシュの使い分け、組み合わせを考慮したい。プッシュを嫌がるユーザーもいるから、それを取捨選択できる仕組みもあるともっと良いだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:マイクロソフト株式会社
制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2005年11月30日

注目のテーマ