「SQL Server 2005」は自信に満ちた製品(2/2 ページ)

» 2005年11月10日 20時13分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]
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フォート氏 x64 Editionsアーキテクチャの良い点は、32ビット環境からの移行がスムーズに行えるということです。低コストで64ビット環境を実現できるので、好評を得ています。今後2年以内に出荷されるサーバ製品は、ほぼ100%が64ビット化の見込みですので、パートナーのビジネスも広がっていくでしょう。

 SQL Server 2005ですが、データベースのような大規模なソフトウェア製品の場合、その仕様や機能といったものは発売の一年以上も前に決定および固定されます。そのため昨年は、全世界で本番環境にSQL Server 2005を導入して、その機能や性能を逐一検証しました。その結果、品質に対する要求はとても厳しい日本のユーザーでも、多くの早期導入顧客が成功裡に本番環境へ移行することができ、大変うれしく思っています。来週には64ビットサーバ製品とSQL Server 2005に関連して、さまざまな導入事例をお見せできると思います。また、パートナーからもユニークな形のコミットメントが発表されるでしょう。ぜひ期待してください

ITmedia SQL Server 2005ではプロダクトラインが拡充されているとともに、BIなどの新しい機能も盛り込まれています。これはユーザー層を広げるための試みですか。あるいは今後、DB製品としてのポジショニングが変化していくのでしょうか?

フォート氏 データベースはほかの製品、例えばOfficeなどとは性格が異なります。新製品の発売時に「銀座で購入者の列ができる」といった現象はまず起きません。一晩で多くのユーザーがデータベースソフトのアップグレードをするといったことも期待していません。SQL ServerのようなDBアプリケーションの開発サイクルはおよそ5年です。この間に、新しいユーザーのために新しいシナリオを用意することも大切ですし、既存のユーザーに対しても新たな付加価値でアピールすることで製品としての可能性を広げる努力をしています。

 確かにBI機能によって、マーケティング的には競合製品との差別化が図れることは事実です。しかし、SQL Serverとしての進化の方向はこれまでと同じ、これからも同じであり、(機能的に)どこかが強くなった代わりにどこかが弱くなるといったことはありません。

ITmedia DB市場ではSQL Serverのシェアが伸びているようですが、Oracleなどの競合についてはどのように見ていますか?

フォート氏 長期的には二つの点に着目しています。一つはわれわれが抱えているユーザーの数です。特に日本で中小規模の顧客層を取り込めば、その数をさらに増やすことができるでしょう。また、本数ベースではOracleとDB2を合わせた数よりも多くの販売数を持っています。

 また、顧客満足度も重要な要素です。この部分においても、常にトップのプロバイダーでありたいと思っています。

 まだまだ成長が見込めるDB市場についてはむしろ、ベンダー間で競争するよりも、データベースプラットフォーム製品が持つ価値をどのようにユーザーに対して広めていくかが重要ではないでしょうか。よい製品を合理的な価格で提供していく限り、顧客は必ずそれを選択してくれると信じています。

マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長のガース・フォート氏
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