こうした批判があることは、Sun関係者も認めている。確かに自社技術を広め、試したいという希望がある、とVisvanathan氏も話す。一方、同社教育市場開拓ディレクター、Art Pasquinelli氏は、オープンソースの重要性はSunとしてもよく理解しており、コミュニティーにとっての利益こそSunにとっての利益だと認識している、とも言う。
「Sunの内と外では、もちろん、外にこそ大きな創造性があります。それを育てることができれば、報われるところも大きいでしょう」
教育分野での活動は国際的な視野に立ったものだ、とSunは強調する。現に、GELCは地方・州・全国・海外の教育機関と協力していくし、University Challenge計画はいくつかの国の優秀な大学の教官・職員・学生にも開放されている。
オープンソースソフトウェアを活用してカリキュラムと研究を充実させるという点では、アメリカが世界をリードしている、とOSUのScott Kveton氏は言う。
「しかし、中国やインドといった市場には勢いがあって、毎年、何百万人単位で技術者が増えていますから、いずれ、これらの国がオープンソフトウェアでも中心的なプレーヤになっていくのは目に見えています。これらの市場にどう関わるかが、オープンソースコミュニティーのこれからの課題でしょう」
アメリカの企業が国境を越え、世界市場に対応していくことが重要だ、とヤブロンスキー氏は強調する。
「とくに、Sunはネットワークとインターネットに大きな影響力を持っているわけですから、自身もインターネットに劣らずグローバルになることが、同社の利益にかなうと思います。Sunは、よく、情報の時代から参加の時代へ、と言いますよね。そうなら、世界中の誰もが知識共有活動への参加の機会を与えられるべきで、そうでなければ参加の時代とは言えません。地球規模のコラボレーションが必要ですし、その結果もグローバルコミュニティー全体を益するものでなければなりません」
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