Novell、KDEのサポートに関する方針を180度転換

Novellは、自社のエンタープライズLinuxシリーズでKDEをフルサポートしないという方針に対して寄せられた多くの反発を考慮し、今後も引き続き、GNOMEとKDEの両方をサポートすることを決定した。

» 2005年11月14日 18時58分 公開
[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK

 Novellは先ごろ、自社のエンタープライズLinuxシリーズでKDEをフルサポートしないという方針を発表し、多数のユーザーの反発を招いた。その後の検討の末、同社は今後も引き続き、エンタープライズLinuxシリーズでGNOMEとKDEの両方をサポートすることを決定した。

 Novellは11月11日、「Novell PR」ブログに掲載されたメモで、「Novell Linux Desktop、SUSE Linux Enterprise Server、Novell Open Enterprise Serverなど将来のすべてのエンタープライズ向けLinux製品リリースには、今後もGNOMEとKDEの両デスクトップ環境が含まれる」とひそかに発表した。

 NovellのシニアPRマネジャー、ケバン・バーニー氏はこのメモの中で、「われわれはGNOMEとKDEに関する当社の方針について、ここ数日メディアや掲示板で展開されている論争に耳を傾けてきた」と述べている。

 「Novellのエンタープライズアプリケーションの将来バージョンでは、デフォルトのデスクトップ環境はGNOMEであるが、顧客がNovellのLinux製品をインストールする際に、GNOMEかKDE環境のどちらかを選択するオプションが与えられる。ユーザーが何も選択しなかった場合には、GNOMEがインストールされることになる」(同メモ)

 Novellは従来、デスクトップインタフェースとしてKDEを完全に放棄したことはない。

 NovellでLinuxとオープンソースを担当するディレクター、グレッグ・マンクシウンガロ氏は以前、「今後もすべてのKDEグラフィカルユーザーインタフェースと製品ファミリーが、OpenSUSE上でサポート・提供される予定だ」と語っていた。

 OpenSUSEはNovellのコミュニティーLinuxディストリビューションであり、同社の商用ディストリビューションのベースとなっている。Red Hatも同様に、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)のベースにFedoraというコミュニティーディストリビューションを使用している。

 エンタープライズLinuxでGNOMEのみをサポートするというNovellの当初の決定は、Linuxデスクトップの分野で激しい論議の的になった。SUSEの共同創設者のヒューバート・マンテル氏がNovellを去ったのも、そのことが理由ではないかと指摘する人もいた。

 今回の方針変更に伴い、マンテル氏がNovellに復帰する可能性はあるかとの質問に対し、バーニー氏は「残念ながら、それについてはコメントできない」と答えている。

 古くからのSUSEユーザーの多くは、Novellの当初の決定に対して明確に反対を表明した。単にGNOMEよりもKDEが優れているからということではなく、歴史的に見れば、SUSEが最も重要なKDEディストリビューションであったというのが、反対の主な理由だった。

 ユーザーからの反発に直面したNovellは、人気のあるLinuxデスクトップインタフェースを両方ともフルサポートするという以前の方針に戻ることを決定した。

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