ニュース
» 2005年11月17日 20時23分 公開

有力データベースベンダーが基調講演に顔をそろえたXML 2005XML 2005 Conference Report

「XML 2005」カンファレンスは2日目を迎え、午前の基調講演にはMicrosoftとIBMが登場した。前日のOracleと合わせ、主要データベースベンダーが顔をそろえる結果になった。

[渡邉利和,ITmedia]

 ジョージア州アトランタで開催中の「XML 2005」カンファレンスは11月16日、2日目を迎え、午前の基調講演にはMicrosoftとIBMが登場し、それぞれデータベースの新製品について語った。前日のOracleと合わせて、主要データベースベンダーが顔をそろえる結果となった。これは、XMLデータストアの実現がXMLコミュニティーにとっても重大関心事であることの反映だろう。

Microsoft

 まず登壇したMicrosoftのソーミタ・セングプタ氏は、IT業界の技術の発展は「収束」(Convergence)によってドライブされている、という見方を示した。初期の混乱(Chaos)期には、さまざまな異なる技術が優劣と差別化で競うが、徐々に整理されていき、常に「Best」が勝つわけではないにせよ、収束に向かっていくという。

Microsoftのソーミタ・セングプタ氏

 最終的に安定期(Stability)に至ると、技術は収束して一本化し、システム化されることによる価値が増大する一方で、差別化によるビジネスモデルは成立しなくなり、業界は次の「未収束」の領域に力を注いでいくわけだ。ネットワークがTCP/IPに、電子メールがSMTPに、ハードウェアアーキテクチャーがIBM PC Reference architectureに収束したのがその例だとセングプタ氏は語る。

 そのうえで、MicrosoftのXMLに関する「想定」として、「データフォーマットはXMLに収束する方向にある」「ただし、XMLはストレージとクエリーのフォーマットとして最上位に位置するものではない」(つまり、別のインタフェースの背後/内部で使われる)という認識を示した。

 さらにセングプタ氏は、XMLを扱うためのプログラミングが開発者にとって負担が大きいものであるとの認識から、マイクロソフトが取り組む「The LINQ Project」(リンク・プロジェクト)を紹介した。これは.NETのレイヤに置かれるプログラミング言語に統合されたクエリーの機能で、開発者は従来のプログラミング言語に近い書式でXMLデータに対するクエリーを実行できるという。

 XMLコミュニティーには「データ指向」の考え方が根強く、「まずXMLデータありき」という視点からものを考える。これに対し、マイクロソフトはあくまでも従来のアプリケーション中心の視点からXMLデータをより容易に取り扱えるようにしていこうと取り組んでいるようだ。この視点の違いは興味深いものがある。

IBM

 続いて、IBMのデータマネジメント担当副社長のロバート・ピキアーノ氏が基調講演に登場し、現在βバージョンを配布中のDB2の新バージョン「DB2 Viper」について紹介した。

 企業システムはSOA(サービス指向アーキテクチャー)の実装に向けて動いており、ミドルウェアとコンポーネントの間の接続はSOAPによるXMLデータの交換という形に移行しつつある。同様にデータソース(DB)とのデータのやり取りも、データをXMLのままで行えるようにすればアーキテクチャーが統一されてメリットが大きい。つまり、DBにはXMLデータストアとしての機能が必須となる。この認識を前提とした上でピキアーノ氏が紹介したDB2 Viperのポイントは、「ハイブリッド」であることだ。

 ピキアーノ氏は、従来のRDBにXMLデータストアとしての機能を加える際に、取り得るデザインの方針が4種類あるとした。

  1. RDBには手を加えず、XMLデータを分解(Shred)して格納する
  2. XMLデータを巨大なテキストオブジェクトとしてRDBに格納する
  3. XML専用のデータストアを用意する
  4. XMLとRDBを融合させたハイブリッドDBを作る

 そして、ピキアーノ氏はこの4つのデザインについて、XMLデータに対する忠実性、既存RDBとのインテグレーションの容易さ、スキーマへの忠実性、パフォーマンスとスケーラビリティ、プログラミングモデル、管理性といったさまざまな視点から優劣を評価し、ハイブリッドデザインが最良であるとした。

 DB2 Viperは2006年中にもリリースが予定されているものだ。そして、ジャストシステムのxfyと組み合わせて利用するため、ジャストシステムがxfy用に「DB2 Viper Extension kit」を提供し、さらにxfy Enterprise Solution 1.0とDB2 Viper Extension kitを組み合わせた「xfy Enterprise Solution plus for DB2 Viper」をリリースする予定であることもアナウンスされている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ