MT 3.2で変わったブログツールスタンダードMovable Type 3.2レビュー(1/2 ページ)

ブログサービスの標準機能を決定付けてきたMovable Typeと対応プラグイン。最新版3.2では、世情を見据えたプラグインを標準に含め、ツールスタンダードの底上げを行った。このレビューでは、筆者厳選のプラグインも紹介する。

» 2005年11月18日 05時20分 公開
[菊地芳枝,ITmedia]

 シックス・アパートの「Movable Type」(以下、MT)は、世界中に多数のユーザーを有し、多くのノウハウやプラグインが開発、そして公開されているサーバサイドのブログツールである。技術面で注目されることの多いXML-RPCやAtom APIにも対応し、外部のツールやWebサービスと連携させることも可能だ。MTこそがキャズム(ハイテクの落とし穴)を超えて、ブログ普及を加速させた要因の一つともいえるのではないかと筆者は考えている。

 このレビュー記事では、最新版の「Movable Type 3.2日本語版」を元にして、新機能を中心に採用されたプラグインが何を実現しているかについて紹介していく。また、後半では数多くのプラグインを試してきた筆者が厳選し、MT 3.2と組み合わせて効果的なものばかりを紹介しよう。

管理画面インタフェースの一新

メイン・メニュー

 バージョン3.2以前からの移行の場合、最初は戸惑ってしまうのが見た目のカラフルさだろう。今回のバージョンからはタブ形式に変わっており、すっきりしたイメージ(デザイン)になっている。また、メインメニュー(ブログ管理用メニュー)とシステムメニュー(システム管理用メニュー)にも分けられており、複数のブログを運用している場合でも投稿エントリー、コメント、トラックバックを一括管理できるようになっている。以上は、管理面の追求が垣間見られる変更だ。

ファイル名などカスタマイズ機能の強化へ

アーカイブ・マッピング

 3.2では、アーカイブやエントリーのファイル名をプルダウンメニューから選択できるようになった。もちろん自由に設定することも可能だ。エントリー投稿時にパーマリンク(Permalink:Permanent「永続する」とlinkを合わせた造語のことで記事URLを指す)を任意のファイル名にカスタマイズできる点は評価できる。

 また、表示方法に関するカスタマイズ機能も充実している。さまざまな画面でより使いやすく変更することが可能だ。例えば、新規エントリー投稿画面の「保存」「確認」ボタンもページの上下に表示することができる。エントリーやコメント一覧の表示方法などもカスタマイズ可能だ。

エントリー一覧・表示オプション

コメント・トラックバック管理の強化

 迷惑コメント、トラックバックについては、特別なプラグインを導入しなくても防御対策ができるようになった。スパムとしてMT上でフィルタリング(マーキング)されると、そのコメントやトラックバックはいったん未承認状態になる。筆者が運用しているところ、このフィルタリングに関しても十分満足できる精度だといえる。従来までは有志のプラグインを利用するなどMTの標準構成では無対策となっていたが、3.2からは標準でサポートされた。

トラックバック編集画面の画像

 また、以前は編集できなかったトラックバック元のタイトルや概要なども簡単に編集できるようになっている。これもスパム対策の一環だといえる。

複数ブログ対象の検索強化

検索・置換画面

 絞込みの条件を細かく設定することが可能になり、素早く検索、置換ができるようになった。複数のブログを一つのMT上で管理している場合でも一括検索が可能だ。

限定個人ライセンスの適用範囲拡大

 従来までは、ユーザー数(投稿者数)が「1」、ブログ数は「3」つまでという制限だった。しかし、ユーザー数(投稿者数)は「1」のままだが、ブログ数は無制限に作成可能へとライセンス内容が変更されている。個人で多くのブログを構築したい場合でも、1つのMTで管理ができるようになった。

 さらに、テンプレートバックアップとプラグインの拡張に触れてみよう。

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