「ERPは高価で手が届かない」は誤解?「次世代」の中堅企業はITで利益を出す(2/2 ページ)

» 2005年11月25日 11時03分 公開
[伊嶋 謙二,ITmedia]
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第1章:ERP導入のメリット

 ERPの魅力として、「パッケージに含まれる業務機能の広範さ」と「システムを手作りした場合と比較して低コストであること」が挙げられている。豊富な機能にもかかわらず、パッケージ価格が急激に低下してきていることも背景にある。一方、保守や運用に掛かる手間やコストも、オフコンに比べて少なく済むことも事実だろう。(図2)

図2

第2章:アクティブな情報収集

 ERP導入に当たって、まず必要なのは情報収集だ。情報を効率良く集めるために、ベンダーやシステムインテグレーターなどの営業担当者から情報を引き出すのも手っ取り早い方法だ。出入りの営業担当者は、中堅企業にとって最新の情報を得るための情報源の一つである。このように、身近な情報ソースを十分に活用することも有効な手段になる。

第3章:ERPベンダーの選び方

 さらに、ERPベンダーを選定する基準をしっかりと持つことは何よりも重要だ。ERPを既に導入した企業の多くが、「サービス、サポート対応力」「導入に掛かる費用」を重視している。ERPは企業戦略の一翼を担うものであり、なおかつ自社の業務の根幹をも担うシステムである。特にサービス/サポートは、日常的にトラブルがあってはならない基幹系システムだから、万一の際のサービス/サポート対応力は、ベンダーを選ぶ際の非常に大きな要素となる。(図3)

図3

最終章:経営者の確固たる改革意識

 最後に、根本的なことを確認しておきたい。自社の抱える問題を現場とのコミュニケーションで的確に把握し、解決策を考案するのが最高意思決定者である社長の役目である。つまり、単に最終的な導入決定の判を押すだけでなく導入に至るまでのプロセスにしっかり絡まなければならないのだ。最終回で具体的なデータを紹介することになるが、実際にERPを導入した企業でも経営者がプロセスに絡んでいる例は少ない。これを改善しなければならない。

最終回に向けて

 さて、連載の最終回となる次回は、総まとめをしておきたい。ここ10年来の中堅企業のIT導入の姿を否定することも辞さずに、中堅企業経営者のあるべき姿を描いていく。戦略系アプリケーション導入に際して、中堅企業の経営者は決して現状になおざりであってはならない。経営者は自社の最高意思決定者でなくてはならない。象徴的な存在に留まってはならないのだ。

中堅・中小企業ERP導入実態調査概要


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