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» 2005年11月29日 17時51分 公開

iforum 2005 JAPAN Report:「アクセスインフラ」に大きく舵を切るCitrix

Citrixを率いるテンプルトンCEOは2年ぶりの東京開催となった「iforum 2005」で約1000人の顧客やパートナーらを前にアクセスインフラソリューションの「Citrix」を強く印象付けた。

[浅井英二,ITmedia]

 「アクセスといえばCitrix、Citrixといえばアクセス」── Citrix Systemsを率いるマーク・テンプルトン社長兼CEOは2年ぶりの東京開催となった「iforum 2005」の基調講演で約1000人の顧客やパートナーらを前にアクセスインフラソリューションのブランドとしての「Citrix」を強く印象付けた。

C/S分野からWebアプリ分野への事業拡大を主導するテンプルトンCEO

 Windowsサーバのマルチユーザー化技術から歴史が始まったCitrix Systemsは、クライアント/サーバ型アプリケーションの仮想化機能によってニッチ市場のリーダーの座に就いたが、さらに積極的な買収によって自らその殻を破ろうとしている。セキュアなアクセスインフラストラクチャーのソリューションプロバイダーへと成長を遂げるためだ。

 特に1年前のNet6買収によってSSL VPNアプライアンス(Citrix Access Gateway)を手に入れたことが大きい。IPSecとSSL VPNの良い点を融合し、アプリケーションやプロトコルを選ばないため、主力製品であるCitrix Presentation Server 4.0と組み合わせれば、既存のシステムに変更を加えたり、わざわざWeb化することなく、リモートから安全にアクセスできるようになる。

 さらに端末の種類や信頼性を把握するエンドポイントセキュリティ解析機能が統合されているため、例えば、「SmoothRoaming」の機能によって同一のセッションを異なるデバイスで引き継いだ際にも再解析が行われ、実際の使用状況に応じたきめ細かなアクセス制御をすることもできるという。

 その後も今年6月にNetScalerを、そして11月中旬にTerosと相次いで買収を進め、Webアプリケーション配信システムやアプリケーションファイアウォールを手中に収め、Webアプリケーションの配信にまつわるパフォーマンスやセキュリティの問題に手を打っている。

 「企業にはさまざまなアプリケーションがあり、それぞれユニークな構造的特徴を持ち、課題も異なる。1つのアプローチでは解決できない。クライアント/サーバ型アプリはPresentation Serverによる“仮想化”、WebアプリはNetScalerによる“最適化”、そしてデスクトップアプリにはCitrix Project Tarponによる“ストリーミング”でそれぞれ対処すべきだ」とテンプルトン氏。同社が買収によって製品や技術の幅を拡大しているのはそのためだ。

NetScaler買収でWebアプリ配信分野に参入

 基調講演には、NetScalerの社長兼CEOだったビー・ヴィ・ジャガディーシュ副社長も登場し、Webアプリケーションのパフォーマンスやセキュリティを改善するには、データ圧縮とキャッシング、プロトコルと接続の高速化、負荷分散、エンドツーエンドのセキュリティといった“最適化”が最善のアプローチだと話した。

 彼は、買収に伴い、Citrixのアプリケーション・ネットワーキング・グループのGMに就いている。

 「機器を増やし、帯域を広げてもパフォーマンスの問題は解決できず、複雑さが増すだけ。夢のように思える最適化を実現するためにNetScalerが生まれた」(ジャガディーシュ氏)

かつてExodusを設立、CTOを務めたジャガディーシュ氏

 彼はインターネットデータセンターのExodus Communicationsを創設したことでも知られる。その経験が今に生きているといっていいだろう。ステージでは、Oracleアプリケーションのレスポンスが1/10に短縮された例も紹介された。

 デスクトップアプリの課題、例えば、インストールの煩雑さや、アプリ同士の干渉(互換性)という問題に対処するストリーミング技術も、Project Tarponによって開発が進められており、低コストなセキュアアクセスのためのソリューションは整いつつある。

FOMA M1000やウイルコム W-ZERO3もサポートへ

 プラットフォームのアプローチで企業のデータセンターを丸ごと仮想化し、アクセスレイヤと切り離していこうというCitrixの取り組みであれば、将来登場してくるだろう、さまざまな革新的なデバイスにも容易に対応できるはずだ。この日も、NTTドコモの「FOMA M1000クライアント」という名称のクライアントモジュール開発を正式発表している。

 シトリックス・システム・ジャパンの大古俊輔社長は、「1943年、“この地球には5台のコンピュータがあれば足りる”と言ったコンピュータメーカーのトップがいたが、今や国内の携帯電話加入者は8900万人に上る」と話す。

ウィルコムのW-ZERO3を手に、同端末向けの日本語版クライアントモジュール投入も示唆する大古氏

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