共有型か占有型か、メール運用から見たホスティングサービスインターネットサービスの新基準(2/2 ページ)

» 2005年11月30日 09時32分 公開
[渡辺裕一,ITmedia]
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 完全にドメインが取引先などに周知されるまでの過渡期には、従来のメールアドレスと新たなドメインのメールアドレスが混在することになる。これはメールを受信するMUA、あるいはメールクライアントの設定によってある程度対処することができるだろう。しかし、可能ならば双方のアドレスは一元的に管理し、各取引先にメールアドレス変更の通知した方が手間を省くことができるはずだ。

 また、転送アドレスを利用する場合にはどのように設定するかにも注意したい。共有型サービスではWebベースのサーバ管理ツールで操作する例が多い。一部にユーザー側では設定ができず、ホスティングサービスのサポートへ設定変更を依頼するという例もあるほどだ。

スパムメールへの対抗策が必須となっている

 メールに付加できる機能、オプション類は、共有型サービスではある程度集約される。個人向けであればWebメールやML(メーリングリスト)作成の可否などだが、業務用途では第一にサーバサイドでのスパムメールフィルタの有無をチェックすべきだろう。昨今のスパム、フィッシング詐欺メールなどの流通量は過去の比ではなくなっている。

 業務用とされるスパムフィルタは一般的に高価であり、サーバのリソースの消費量が多い方だ。小規模なホスティングサービスベンダーがスパムフリーをうたって稼働させていたとしても、サーバの処理速度が遅ければ遅延配達が発生しやすくなるだろう。共有型サービスは比較的システムの処理が多くなる傾向と考えた方がよいため、共有型の場合には、サーバの仕様とホスティングサービスの実績も考慮しておく必要がある。

 このように共有型では、占有型に比べて制限される事項が多い。その制限の中でどの程度の自由度を確保できるのか? その制限が利用用途上で不具合とならないのかが判断の要だ。その点に着目することで有効活用することができる。次に挙げておこう。

  • アカウント登録時の初期導入作業
  • メール転送機能の有無
  • スパムメールフィルタの有無
  • シェルが開放されているか
  • 任意アプリケーションのインストール、運用の可否
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