中堅企業がITでもうけるためには?「次世代」の中堅企業はITで利益を出す(2/3 ページ)

» 2005年11月30日 09時54分 公開
[伊嶋 謙二,ITmedia]

中堅企業に対するシステムベンダーの提案力が求められる

 ERPを導入した中堅企業にそのきっかけを聞いてみたところ、「現情報システムの老朽化」が66.1%と圧倒的で、「システムベンダーやコンサルタントの提案」といった周囲からのアプローチは21.7%とだいぶ格差がある。言ってみれば、「このシステムではもはや仕事にならない」と判断するまでは、ERP導入に至っていないという状況だ。これが現状だとすれば、システムベンダーの立場からすれば問題だ。考え方としては、何かしらの不都合が起こる前に、システムベンダーから最適な提案が持ち上がってきてもいいはずである。(図2)

図2

 上記の結果を裏付けるかのように、「ERPの導入効果などを熟知」している中堅企業ユーザーは全体の1割にも満たない。新聞や、専門の雑誌、各種Webサイトを意識して見ていると、ERPパッケージの広告が展開されているものの、それだけでは、ERPについて「聞いたことはあるが、よく知らない」程度にとどまってしまうだろう。

 結果として、「システムベンダーやコンサルタントの提案」をきっかけにするのではなく、「現情報システムが老朽化」するまで、ERPを導入しようとは考えないのである。前回、ユーザーがERPに関する情報を収集する方法の一つとして、「営業担当者に聞く」というようなことを指摘したが、本来ならば、顧客との対話や、現場への洞察力によって問題を見抜き、営業担当者から話を切り出すのが筋だろう。(図3)

図3

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