失敗しない中堅企業のIT導入「次世代」中堅企業はITで利益を出す(2/2 ページ)

» 2005年11月30日 10時13分 公開
[長谷川 典生,ITmedia]
前のページへ 1|2       

システム化するための分析

 次に分析するのは、システムの稼働時間と障害対策である。この企業の場合、受注センターの稼働時間は1日に4時間であるが、そのほかの受注データがEDIによって配信されてくるため、システムは24時間無停止が要求される。そのため、システムプラットフォームは、比較的高価なUNIXサーバと耐障害性を高める意味でクラスタシステムを導入し、それに対応するDBMSとアプリケーションサーバを採用する必要がある。

 最後に、システムの柔軟性/拡張性について分析してみよう。この企業の場合、多くのマスターデータを有効活用するため、新サービスを1年に4つのペースで開発している。 このように自社のビジネスプロセス変更を頻繁に行わなければならない企業の場合は、特にシステム構想段階からシステムの柔軟性への考慮が必要だ。

 例えば、システムすべてをWebベースのアプリケーションで構築する場合は、接続端末の増加に対応できるようにアプリケーションサーバを構築しておく必要がある。また、格納するデータそのものが不定形な場合、XMLデータベースも視野に入れて設計する必要があるかもしれない。

 このように、テーマを決め、適用分野ごとに、つぶさに分析を行えば、必ず自社にとって必要なシステムの姿と選択するべき技術要素が浮かんでくるはずである。

 また、このようなシステムサイドからの業務分析と、ビジネスサイドからの業務分析の両方を行うことで、標準化することによる効果が見込めるビジネスプロセスと情報システムをピックアップできるのである。

 情報システムはその企業のビジネスプロセスと密接に関連を持っている。情報化時代のビジネスモデルと、それをITで支える組織の構築こそ、中堅企業が目指すべき「勝利の方程式」であると確信する。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ