派生物として最初にリリースされたのは、OpenSolarisをベースとするライブCD SchilliXである。OpenSolarisのコードがリリースされてから何日も経っていないころの登場だった。このCDを使うと、HDDまたはUSBメモリスティックにOpenSolarisをインストールできる。記事の執筆に際して開発リーダージョージ・シリング氏に取材を試みたが果たせなかった。
次にリリースされたOpenSolarisをベースとするディストリビューションはBeleniXである。10月初めにバージョン0.1がリリースされた。開発リーダーのゴーシュ氏は、コードのリリースによってSolarisに触れる機会が広がり、使ってみようかと思う人が増えるだろうとみている。
「Solarisプラットフォームをそれが適用可能な領域の隅々にまで広げる好機です。しかし、それはオープンコミュニティーに参加すればこそ可能になります」(ゴーシュ氏)
ゴーシュ氏は2年半ほど前からSunに勤めているが、OpenSolarisチームには所属していない。BeleniXは、ゴーシュ氏が余暇を捧げた成果なのである。3カ月間、週末と夜を潰してライブCDを作る方法を調べた。ゴーシュ氏が「大いなる学びの時」と呼ぶその時間を使って、コードの穴、すなわちSolarisのまだコミュニティーにはリリースされていない部分を埋めたのである。
ゴーシュ氏はまっさらの状態から始め、SolarisのNevadaリリースを使ってシステムブートの仕組みを調べた。不明な点にぶつかるとSunの技術文書の頁を繰り、Sunにいる同僚の知恵を借りて解決した。
それほどまでにしてSolarisとライブCDオペレーティングシステムの作成法を調べ学んだのは、なぜなのだろうか。ゴーシュ氏は言う。「まっさらな状態から始めたかったのです。二番煎じの無駄骨だという人もいるでしょう。しかし、わたしにとっては、大いなる学びの時だったのです」
DebianやKnoppixあるいはSchilliXからも「方法は幾つか借りた」が、「実装を調べる」ことは避けたという。ゴーシュ氏は自分で発見したかったのである。
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