オープンソース化されたSolaris――コミュニティー、派生ディストリビューション(2/3 ページ)

» 2005年12月12日 10時17分 公開
[Stephen-Feller,japan.linux.com]

派生ディストリビューションの登場

 派生物として最初にリリースされたのは、OpenSolarisをベースとするライブCD SchilliXである。OpenSolarisのコードがリリースされてから何日も経っていないころの登場だった。このCDを使うと、HDDまたはUSBメモリスティックにOpenSolarisをインストールできる。記事の執筆に際して開発リーダージョージ・シリング氏に取材を試みたが果たせなかった。

 次にリリースされたOpenSolarisをベースとするディストリビューションはBeleniXである。10月初めにバージョン0.1がリリースされた。開発リーダーのゴーシュ氏は、コードのリリースによってSolarisに触れる機会が広がり、使ってみようかと思う人が増えるだろうとみている。

 「Solarisプラットフォームをそれが適用可能な領域の隅々にまで広げる好機です。しかし、それはオープンコミュニティーに参加すればこそ可能になります」(ゴーシュ氏)

 ゴーシュ氏は2年半ほど前からSunに勤めているが、OpenSolarisチームには所属していない。BeleniXは、ゴーシュ氏が余暇を捧げた成果なのである。3カ月間、週末と夜を潰してライブCDを作る方法を調べた。ゴーシュ氏が「大いなる学びの時」と呼ぶその時間を使って、コードの穴、すなわちSolarisのまだコミュニティーにはリリースされていない部分を埋めたのである。

 ゴーシュ氏はまっさらの状態から始め、SolarisのNevadaリリースを使ってシステムブートの仕組みを調べた。不明な点にぶつかるとSunの技術文書の頁を繰り、Sunにいる同僚の知恵を借りて解決した。

 それほどまでにしてSolarisとライブCDオペレーティングシステムの作成法を調べ学んだのは、なぜなのだろうか。ゴーシュ氏は言う。「まっさらな状態から始めたかったのです。二番煎じの無駄骨だという人もいるでしょう。しかし、わたしにとっては、大いなる学びの時だったのです」

 DebianKnoppixあるいはSchilliXからも「方法は幾つか借りた」が、「実装を調べる」ことは避けたという。ゴーシュ氏は自分で発見したかったのである。

次ページ:GPLとCDDLの軋轢

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ