サーバは何も入れなければ“ただの箱”ゼロから始める中小企業IT化への道(2/2 ページ)

» 2006年01月06日 08時00分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]
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企業規模を問わず必須の業務が「財務会計システム」

 基幹系業務システムの中でも、とりわけ重要になってくるのが「財務会計システム」だろう。経営者は、自社が現在どれだけの利益を上げているのか、健全な経営を行えているのかという情報を毎日でも手に入れておきたいものだ。しかし、これを手作業で管理していては毎日どころか、気になったときにもすぐに確認できない。必要な情報が欲しいときに手に入れられない状況では、素早く適切な決断を下すことは難しい。

 このような事態に陥らないためにも財務会計システムを導入し、自社の財務情報をITで管理する必要性が高い。ITを導入すれば、経営者はこのシステムにアクセスすることで自社の財務情報をすぐに把握できるようになる。導入に際しては、経営者が直接関与して、そのシステムが自社にどのような恩恵をもたらすのかを理解しておいた方がいい。最近では、さらに販売管理、人事給与などの業務も統合したERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)が注目されている。

アプリケーション上位は基幹系業務システムが独占

 では、中小企業が実際にどのような基幹系アプリケーションをサーバ上で利用しているのか、見てみよう。

図2 ITアプリケーションの導入状況

 上図のように、サーバを導入した中小企業の86.2%が「財務会計」を導入していた。次いで「人事給与」が80.6%、「販売管理」が75.5%と続いている。アプリケーションの導入実態の上位3位は、まさに業務に直結する基幹系業務システムが占めている。

 情報系では「グループウェア」が57.2%で、「無線LAN」が40.1%となっている。特にグループウェアはユーザーからの支持が高い。導入に対して、検討中・関心はあると答えたユーザーも25.7%となっており、順調に導入が進めば、いずれ8割以上のユーザーがグループウェアを導入することになる。情報系のアプリケーションは、中小企業の導入の意向が高くなりつつある分野だ。

 一方、戦略的ITとして注目されているCRM(Customer Relationship Management)、SFA(Sales Force Automation)、SCM(Supply Chain Management)の導入率は10%前後にすぎない。中小企業にとってはまだ優先度が低いといえる。

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