AppleはMacworld Expoでのサプライズとして、同社初のIntelベースのMacを当初の計画よりも半年早くリリースしたが(関連記事参照)、Microsoftおよび企業向けソフトウェアデベロッパー各社によると、IntelネイティブMac用のソフトウェアの開発は目標に向けて順調に進んでいるという。
Microsoftは、今後少なくとも5年間はIntelベースおよびPowerPCベースの両方のMac向けに、Mac OS X版Microsoft Officeを開発するという契約をAppleと結んだ。
Microsoftは、「Virtual PC for Mac」も新Macに移植する計画だ。これにより、Macユーザーはほぼネイティブ速度でWindowsを走らせることができる。
MicrosoftのMac事業部のマーケティングマネジャー、アマンダ・ルフェーブル氏は、「Virtual PCをいっそう推進するつもりだ」と話している。
Appleは以前、開発者が新Mac上でWindowsの動作を可能にするのを妨げるつもりはないとしていたが、Intel Mac向けのVirtual PCを利用すれば、再起動することなしにMac OS XとWindowsを同時に走らせることが可能になる。
「ただし、スムーズな操作を実現するには、ユーザーは2つの環境を切り替えて使用する必要がある」とルフェーブル氏は話す。
Microsoftは新Virtual PCの出荷時期を明らかにしていないが、新Macのユーザーは移植作業が完了するまでしばらく待たされることになりそうだ。
現行版のOfficeとは異なり、Virtual PCの現行版は「Rosetta」上では動作しない。Rosettaというのは、PowerPCネイティブのアプリケーションをIntel Mac上で実行するために用意されたAppleのサポート環境である。
またMicrosoftは、Mac版Microsoft Officeの次期バージョンでは、Windows用のOffice 12で採用されるXMLベースのファイルフォーマットに移行すると発表した。ただしこの計画についても、スケジュールは明らかにされなかった。
「われわれは通常、2〜3年のサイクルで開発を行っている。IntelベースのMacがXMLフォーマットへの移行にどう影響するのか調べる必要がある」(ルフェーブル氏)
さらにMicrosoftは、Mac版OfficeとWindows版との間の互換性を維持するために、現行版OfficeとXMLフォーマットとの間で変換を行うコンバータを提供することを明らかにした。
なお当面の予定として、Microsoftは「Entourage 2004」のアップデート(バージョン11.2.3)を3月にリリースする。
今回のアップデートでは、Mac OS X iSyncのサポートが追加される。これによりユーザーは、Exchangeのアドレス帳と予定表をApple Address BookとiCalにリンクできるようになる。また、Spotlightを使ってEntourageを検索することも可能になるという。
企業向け機能の強化にフォーカスした「Microsoft Messenger 5.1」も3月にリリースされる予定だ。このアップデート版では、社外の連絡先向けのファイル転送を暗号化する機能が追加される。
ユーザーが複数のマシン上でMicrosoft Office Live Communications Serverにログオンしているときでも、Messenger 5.1はどのマシンにメッセージを送信すれば良いか判断できるという。
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