「Mactel」は企業市場に進出できるか? ――デベロッパー各社が対応製品を開発中(1/3 ページ)

Appleが発表したIntelベースのMacについて、デベロッパー各社は、ネイティブで動作するソフトウェアの開発を進めているが、この動きにはMicrosoftへの対抗という意味も込められている。

» 2006年01月12日 18時19分 公開
[John Rizzo,eWEEK]
eWEEK

 AppleはMacworld Expoでのサプライズとして、同社初のIntelベースのMacを当初の計画よりも半年早くリリースしたが(関連記事参照)、Microsoftおよび企業向けソフトウェアデベロッパー各社によると、IntelネイティブMac用のソフトウェアの開発は目標に向けて順調に進んでいるという。

 Microsoftは、今後少なくとも5年間はIntelベースおよびPowerPCベースの両方のMac向けに、Mac OS X版Microsoft Officeを開発するという契約をAppleと結んだ。

 Microsoftは、「Virtual PC for Mac」も新Macに移植する計画だ。これにより、Macユーザーはほぼネイティブ速度でWindowsを走らせることができる。

 MicrosoftのMac事業部のマーケティングマネジャー、アマンダ・ルフェーブル氏は、「Virtual PCをいっそう推進するつもりだ」と話している。

 Appleは以前、開発者が新Mac上でWindowsの動作を可能にするのを妨げるつもりはないとしていたが、Intel Mac向けのVirtual PCを利用すれば、再起動することなしにMac OS XとWindowsを同時に走らせることが可能になる。

 「ただし、スムーズな操作を実現するには、ユーザーは2つの環境を切り替えて使用する必要がある」とルフェーブル氏は話す。

 Microsoftは新Virtual PCの出荷時期を明らかにしていないが、新Macのユーザーは移植作業が完了するまでしばらく待たされることになりそうだ。

 現行版のOfficeとは異なり、Virtual PCの現行版は「Rosetta」上では動作しない。Rosettaというのは、PowerPCネイティブのアプリケーションをIntel Mac上で実行するために用意されたAppleのサポート環境である。

 またMicrosoftは、Mac版Microsoft Officeの次期バージョンでは、Windows用のOffice 12で採用されるXMLベースのファイルフォーマットに移行すると発表した。ただしこの計画についても、スケジュールは明らかにされなかった。

 「われわれは通常、2〜3年のサイクルで開発を行っている。IntelベースのMacがXMLフォーマットへの移行にどう影響するのか調べる必要がある」(ルフェーブル氏)

 さらにMicrosoftは、Mac版OfficeとWindows版との間の互換性を維持するために、現行版OfficeとXMLフォーマットとの間で変換を行うコンバータを提供することを明らかにした。

 なお当面の予定として、Microsoftは「Entourage 2004」のアップデート(バージョン11.2.3)を3月にリリースする。

 今回のアップデートでは、Mac OS X iSyncのサポートが追加される。これによりユーザーは、Exchangeのアドレス帳と予定表をApple Address BookとiCalにリンクできるようになる。また、Spotlightを使ってEntourageを検索することも可能になるという。

 企業向け機能の強化にフォーカスした「Microsoft Messenger 5.1」も3月にリリースされる予定だ。このアップデート版では、社外の連絡先向けのファイル転送を暗号化する機能が追加される。

 ユーザーが複数のマシン上でMicrosoft Office Live Communications Serverにログオンしているときでも、Messenger 5.1はどのマシンにメッセージを送信すれば良いか判断できるという。

次ページ:Microsoftへの対抗狙うエンタープライズ製品デベロッパー

       1|2|3 次のページへ

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR