エンタープライズ分野でMicrosoftと競合するベンダー各社も、Appleが予想以上に早くIntel Macをリリースしたことに慌てふためいてはいない。
ThinkFreeで製品マーケティングマネジャーを務めるジョナサン・クロー氏は、「当社では、各種プラットフォームにできるかぎり柔軟に対応できるよう製品を開発してきた」と話す。
同社は、「ThinkFree Office Server Edition」のβ版をすでにリリースしている。この製品は、Microsoft Officeと互換性のあるWebベースのオフィスアプリケーションを提供する。
同サーバはMac OS X、Windows、Linux、Solaris上で動作し、クライアントマシンにJavaアプレットをインストールする。製品版は今四半期中に出荷される予定。
Zimbraは、新しいメッセージングサーバ「Zimbra Collaboration Suite Network Edition」を今四半期中に出荷すると発表した。この製品は、Microsoft Exchangeを代替するものとして位置づけられているが、Mac OS X上で動作する。 Zimbra Collaboration Suiteは、予定表、アドレス帳および電子メール機能をMac、Windows、Linuxクライアントに提供する。同サーバはLinux対応版も用意されている。
ユーザーは、ZimbraのWebベースのクライアントを使って同サーバにアクセスできるほか、Outlook for Windowsや、Mac OS Xユーザーの場合は、Apple Mail、iCal、Address Bookを使ってアクセスすることもできる。
Zimbraには、予定表とアドレス帳をMac OS X用アプリケーションに同期化するためのiSyncプラグインが含まれる。企業ユーザーにクライアントの選択肢を提供するのが同製品の狙いだという。
同社の製品管理担当副社長、ジョン・ロブ氏は、「われわれが競争したいと思っている分野はサーバサイドだ。Appleのユーザーは、現在提供されているものに満足していない」と話している。
Zimbraでは、Microsoft Exchangeバージョン5.5以降のユーザーが移行するためのマイグレーションツールも提供する予定だ。
Zimbra Collaboration Suiteは、MicrosoftのActive DirectoryとユーザーIDを連携する機能も備える。
Zimbra Collaborationサーバは、5000ユーザーをサポートする。また、複数のバックエンドサーバをクラスタ化することにより、数万ユーザーをサポートすることができる。
同サーバは階層型ストレージに対応したバックアップ/リカバリ機能も備えており、古いメッセージは二次的ストレージメディアに移される。
一方、Zimbraクライアントは、ほかのクライアントでは利用できない付加機能を提供する。
WebベースのZimbraクライアントを、社内データベースにリンクするZimbraサーバの機能と組み合わせることにより、サプライシステムやスケジューラシステムを電子メールによるワークフローに連携することができる。
例えば、ユーザーがカーソルを部品番号や発注書に移動すると、追加情報を記載したポップアップウィンドウが現れる。
カーソルをURLのところに持っていくと、Webページのプレビューが表示される。電子メールメッセージの日付を指示すると予定表が現れ、住所を指示するとYahoo!の地図が現れる。電話番号をクリックすることでSkypeを起動させることもできる。
Zimbra Collaboration Suite Network Editionの価格は、1ユーザーにつき年額28ドルで、これにはサポートも含まれる。
同サーバには無償版の「Zimbra Collaboration Suite - Open Source Edition」も用意されているが、Zimbra以外のクライアントをサポートしておらず、バックアップ/リカバリ機能なども備えていない。
Zimbraによると、同サーバのIntelネイティブMac対応版は現在開発中で、今年中にリリースする予定だとしている。
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