もう「コストセンター」とは言わせない!コンタクトセンターが企業の顔になる(2/2 ページ)

» 2006年02月20日 16時49分 公開
[土屋晴仁,ITmedia]
前のページへ 1|2       

また、業界くんに聞く

 このシリーズの最初に登場した「業界くん」に、このあたりの事情を聞いてみた。

 「NECフィールディングの事例が参考になると思うな。この会社は、その名の通り、NEC製品のカスタマサポートを引き受け、年間72万コールを97%という高い着信率で受け付けているサポートセンターだ」

東京・府中のNECフィールディングのコンタクトセンターの様子

 それはすごい。

 「そして、日本経営品質賞を受賞し、雑誌社が選ぶ顧客満足度調査での1位、コールセンター業務の“最高品質”といわれる『COPC-2000』規格認証取得などで、非常に高い評価を受けている。いわば、CC業界の優等生だ」

 優等生の例なら聞いてみたい。

 「同社では、オペレーターのスキルアップのために、毎月モニタリングによる検証と四半期ごとの能力診断テストなどを行い、1人当たりの教育日数は年間28日にも上る。そのオペレーターの業務を支援するシステム面の工夫もすごくて、オペレーターのPC端末がCTI(コンピュータテレフォニーインテグレーション)化、つまりPCと電話が連携しているから、着信と同時にカスタマーのシステム環境や対応履歴、担当者などが表示される」

 電話を掛けてきた番号をキーに、データベースの顧客情報を引っ張ってきて、それをオペレーターの画面にポップアップさせるわけだ。彼はさらに続ける。

 「そして“ナレッジ検索システム”も働いているので、過去の関連性の強い対応履歴や、装置情報などを画像で表示し、操作方法の説明に役立てることができる。もともと、カスタマーエンジニアって難しい問い合わせに対応するから、客先に出向いて製品を修理することが多いんだけど、これなら4分の1は電話で解決できるんだ」

 客先に行かなくても済むならば、サポートの手間もだいぶ軽くなる。

 「一方で、客先に出向く場合のことを考えてたときに、仕事の効率を悪くする原因になり得るのが、顧客がコンタクトセンターで説明した故障内容を、エンジニアが把握していない場合だよ。同社の場合、現場のエンジニアは、携帯電話で作業指示を受けたり、結果を報告したりするのだけど、その際に、カスタマーエンジニアはボイスログにアクセスして、顧客に残してもらった録音メッセージを聞くことができるんだ。そして、必要な部品の到着時間の確認や回収の指示も携帯電話から行える。この仕組みは特許申請中らしい」

 やたらと感心するこちらの様子を見て、「業界くん」は話をさっさとまとめてしまった。

 「そこまでやるか、という感じでしょ? NECフィールディングはこの言葉をキャッチコピーにしてるんだってさ。どう、参考になった?」

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ