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» 2006年03月15日 18時00分 公開

Red Hat、仮想化技術普及への取り組みを強化

Red Hatは米国時間3月14日、サンフランシスコで主催したイベントで、仮想化への取り組みに関する最新状況を発表する。仮想化技術であるXenのこれからについても語られる見込みだ。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 LinuxベンダーのRed Hatは米国時間3月14日、サンフランシスコで主催したイベントで、仮想化への取り組みに関する最新状況を発表する予定だ。同イベントの司会進行は、ノースカロライナ州ローリーに拠点を置く同社のエンタープライズソリューション担当取締役副社長であるティム・イートン氏と、CTO(最高技術責任者)のブライアン・スティーブンス氏が務める。

 また、消息筋がeWEEKに明かしたところによると、同社の戦略的ハードウェアパートナー企業であるIntelおよびAMDの関係者も、同イベントに参加するという。

 Red Hatは、仮想化技術「Xen」をLinuxカーネルに実装するため提供するという取り組みを積極的に進めてきたが、この件に関する同社のコメントをイベントの開催に先立って入手することはできなかった。

 Xenは、仮想化技術を用いて、複数のLinuxを1台のコンピュータ上で稼働させるソフトウェアで、「Hypervisor」と呼ばれるもの。Hypervisorソフトウェアを利用すると、コンピュータのハードウェアリソースを、複数のオペレーティングシステムが共有できるように制御することができる。

 現在では多くのハードウェアおよびソフトウェアで改良が進められており、Xenはいずれ「Microsoft Windows」やSun Microsystemsの「Solaris」といったOSと連係したり、IBM「Power」、Intel「Itanium」、Sun「Sparc」などのチップや、x86チップベースのコンピュータ上で動作したりすることが可能になると見られている。

 Red Hatの関係者は、同社がXenプロジェクトの「Xen 3.0」サーバ仮想化機能を「Red Hat Enterprise Linux 5」に搭載する意向であることを明らかにしている。Red Hat Enterprise Linux 5は2006年第2四半期にリリースされる予定で、Hewlett-PackardやIBMといった大手OEMベンダーも同技術をサポートしていくと述べている。

 Xenは、英国ケンブリッジ大学のコンピュータ研究所で生まれた、オープンソースのプロジェクトだ。同プロジェクトは2005年12月に、大規模なSMP(symmetric multiprocessing)環境向けの新機能が搭載されたXen 3.0をリリースしている。

 これと同時期に、Xenを最初に手がけた開発者らが2005年初頭に設立したXenSourceも、同社の初めての商用製品となる「XenOptimizer」を発表した。これは、ユーザーによるXen仮想化環境の管理を支援するための製品だ。

 XenSourceの関係者は、Xen仮想化技術自体は無料だが、同社のような新興企業は、Xenに基づく管理サービスや関連製品を提供することで利益を得られるようになると話している。

 もっとも、XenSourceをはじめとする新興企業は、Red Hatなどの企業とも競合していかねばならなくなるだろう。Red Hatは、Xenの仮想化機能を利用した、負荷分散ツールや作業負荷自動化ツールの開発を予定している。Red Hatがこうした取り組みに着手したことで、パートナー企業のIBMとの同分野における競争が激化する可能性があると、アナリストは分析している。

 CTOのスティーブンス氏は2005年10月、eWEEKに対して、Red HatはXen仮想化技術をLinuxカーネルに実装するために「2カ月以内」に提供すると語っていた。同氏はさらに、「このプロジェクトが長期にわたるようなことはないだろう。取り組みに参加したいと考えているコミュニティー内のあらゆるメンバーと可能な限り協力して、これを成し遂げようと決意している」と述べ、同プロジェクトの作業を促進し、目標を達成するために、新たに6名のスタッフを雇用したことを明らかにした。

 これに対し、オレゴン州ビーバートンのOpen Source Development Labsで「Linux 2.6」カーネルの開発監督責任者を務めているアンドリュー・モートン氏は、同技術はまだ提供されていないと話した。「Red Hatやその協力者の最近の動向については分からない。わたしのところには何の報告も上がっていない」と、同氏は米国時間3月13日にeWEEKに語っている。

 Red Hatの戦略の大部分を占めているのは、仮想化機能とその管理をLinuxシステムに組み込むということだ。これにより、「仮想化技術が成熟するばかりでなく、OSやカーネルそのものが、共有利用のために自らが仮想化状態にあることを的確に把握できるようになる」と、スティーブンス氏は述べた。

 同社は、仮想化技術を最大限に普及させ、ユーザーがこれを任意に利用できるようにすることを目指している。「われわれの戦略は、仮想化技術をどうやって普及させればよいのか、また同技術を普及させ、Linuxプラットフォームに搭載するためには何が問題となるのかといったことを主軸としている」(スティーブンス氏)

 Linuxカーネルの開発監督責任者であるモートン氏は、Red Hatは「力のあるエンジニアリング企業であり、素晴らしい貢献をして、われわれを支援してくれると信じている」と、eWEEKに話した。かつては開発チームによる貢献ばかりが目立っていたが、同氏はそのほかの協力者を積極的に探して、フィードバックを求めてきたのだという。

 「われわれの取り組みに関係のある企業は、XenSource、Red Hat、IBM、Intelを含め、非常に多く存在している」(モートン氏)

 これに加え、Sun Microsystemsのソフトウェア担当取締役副社長であるジョン・ロイアコーノ氏なども、Xenの普及を図る取り組みを歓迎している。同氏は、Sun自身も多くの自社製品およびプラットフォームでXen仮想化技術の採用を進めており、最高のスキルを持つエンジニアをこれに当たらせて、オープンソース開発コミュニティーとの連携を確立していると述べた。

 eWEEKはまた、Computer Associatesの上級副社長であるサム・グリーンベルト氏からも、Xenに関する取り組みが進展しつつあることを喜んでいるというコメントを得ている。グリーンベルト氏は、CAはLinuxカーネルの仮想技術対応化に関わるあらゆる取り組みを支援していく意向だとしたが、「成果が上がるまでにはまだ時間が必要だろう。正しい方向性を保っているかどうか、注意深く見守りたい」とも述べた。

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