中小企業のコンプライアンス需要を掘り起こす――テイルバックがデータ改ざん防止付きストレージサービス

テイルバックは、データ改ざん防止機能を備えた中小企業向けストレージサービス「GrowServerエンタープライズサービス」を発表した。ネットアップの「LockVault」を利用し、法令順守のためのデータ長期保管に対応した。

» 2006年03月15日 17時55分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 テイルバックは3月15日、データ改ざん防止機能を備えた中小企業向けストレージサービス「GrowServerエンタープライズサービス」を発表した。まずは「ファイルサーバサービス」を3月20日から提供する。主に従業員数100名〜300名程度の管理者を置くことのできない中小企業をターゲットに、ファイルサーバの統合と運用管理、データの改ざん防止保管を代行する。

 社内のファイルサーバをテイルバックのデータセンターに設置したファイルサーバに統合し、バックアップやデータの長期保管といった運用を行う。顧客はオフィスや外出先からVPNなどを通じてファイルサーバにアクセスして利用でき、ユーザー認証やアクセス制御などの機能も提供する。

山田敏博氏 テイルバック代表取締役の山田敏博氏

 同サービスでは、日本ネットワーク・アプライアンスのストレージ「NetApp FAS3000」シリーズと非構造化データの記録保存ソフト「NetApp LockVault」を採用して差別化を図った。LockVaultは、一定期間の保管を定められたデータを記録保存するためのソフトで、スナップショットによるデータのバックアップや、スナップショットコピー間の変更履歴の記録、WORMボリュームによる改ざん防止が可能だ。

 米国では、電子メール保管に関する「SEC Rule 17a-4」へのコンプライアンス対策としてLockVaultが活用されていることから、テイルバックでは、この機能を活用して中小企業のコンプライアンス需要の掘り起こしを図る。同社の代表取締役、山田敏博氏は「中小企業がリスクに対し早急に手を打つという意味で有効になる」と話した。

 価格は、3拠点・ユーザー数200名・ファイルサーバ容量1Tバイト・データ保管期間30日間・Active Directoryによるアカウント集中管理・ウイルスチェック機能で、初期導入費用が420万円、月額費用が150万円程度。ユーディービィー・リナックス・ジャパンを通じた販売も行う。

 今後、GrowServerエンタープライズサービスとしては、全メールのコンプライアンス対応保管する「メールアーカイブサービス」、会計ベンダーと連携した日本版SOX法対応「会計アプリケーションサービス」を拡充する予定だ。

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