数週間にわたりメディアのさまざまな憶測を呼んだ後、遂に正体が明かされた“Origami”ことUltra-Mobile PC(UMPC)。今回のマーケティングキャンペーンは一定の成果があったと言えそうだが、UMPCが狙うニッチ市場の価値は未知数だ。
7インチのタッチパネルと新しいユーザーインタフェース機能を備えたコンシューマー向けの軽量Tablet PCが登場する。数週間にわたり噂や憶測が錯綜した後、2006年3月に開催されたCeBIT展示会会場においてUltra-Mobile PC(UMPC)が正式に発表された。UMPCは、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ポータブルミュージックプレーヤーなどのハンドヘルドデバイスとラップトップPC間の未踏の領域を狙っているが、このニッチ領域の市場としての価値は未知数である。第1世代のUMPCに課された市場創出の道は、険しいものになるかもしれない。
MicrosoftチーフソフトウェアアーキテクトのBill Gates氏によりモックアップがお披露目されたのは、2005年5月の同社主催のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)にさかのぼる。UMPCはMicrosoftのハードウェアリファレンスデザインを基にし、Windows XP Tablet Editionを搭載するバッテリー駆動型の小型PCである。通常のTablet PCはモバイルワーカー向けに調整されているが、UMPCはコンシューマーをターゲットとしており、電子メールの送受信やWebサーフィン、デジタルメディア(音楽や画像)へのアクセス、PCゲームなどの機能を提供する。
UMPCはラップトップや通常のTablet PCと比較してかなり小型化されており、重量は1.2kg未満、7インチ以下の横型タッチスクリーンを搭載する。バッテリー持続時間は2.5時間以上で、ハードドライブ容量は30〜60Gバイト、CPUにはIntelまたはVIAのモバイルプロセッサを採用する。また、第1世代のUMPCは、Wi-FiおよびBluetoothに対応するほか、Ethernetポートを備える。今後のバージョンでは、GPSレシーバー、デジタルTVチューナー、フラッシュカードやSDメモリカードなど小型デバイスに適したハードウェアが追加される可能性がある。ただし、キーボードやCD/DVDドライブは通常のTablet PCやラップトップPCに標準で搭載されるハードウェアだが、UMPCの仕様にはこれらが含まれていない。
UMPCはTablet PCと同じインタフェースを採用し、デジタルペン入力および手書き入力文字のテキストへの変換をサポートする。また、UMPC用に開発されたオプションのインタフェースがTouch Packとして提供される。これは、小型のタッチスクリーン上での操作を支援するためのソフトウェアパックで、次のものが含まれる。
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