マスマーケットに狙いを定めるMSの「Team Foundation Server」(1/2 ページ)

最近「Visual Studio 2005 Team System」のコンポーネントである「Team Foundation Server」をリリースしたMicrosoft。これはマスマーケット的なソフトウェア戦略をエンタープライズ分野へ持ち込むものだという。

» 2006年04月18日 17時00分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは最近、「Visual Studio 2005 Team System」のコンポーネントである「Team Foundation Server」をリリースした。これはマスマーケット的なソフトウェア戦略をエンタープライズ分野へ持ち込む取り組みの一環で、同社によると、まだ序の口にすぎないという。

 MicrosoftでVisual Studio Team System(VSTS)を担当するゼネラルマネジャーのリック・ラプランテ氏は「これはマスマーケット的なアプローチだ。つまり、マスマーケット製品の魅力である低価格と使い勝手の良さを顧客にアピールするということだ」と説明する。

 しかしラプランテ氏は次のように付け加えている――「エンタープライズ向け開発ツールのビジネスが、Visual Basicと同じようなマスマーケットビジネスになるとは考えていない。だが、年間3万ライセンス以上は販売しなければならないだろう」

 Microsoftは3月17日に、Team Foundation Server(TFS)を製造工程向けにリリースした。TFSはワークフロー型コラボレーションエンジンで、開発プロジェクトに関する情報の一元的データウェアハウスとしての役割を果たす。

 TFSを利用すれば、法規制の強化に対応するためのカスタムレポートを作成するのに必要な情報を自動生成することができる。Microsoftは昨年11月に、Visual Studio 2005を正式に発表した。しかし、同製品のTeam Systemバージョンの一部であるTFSコンポーネントはその時点で提供されず、同社では今年1〜3月期にリリースする予定だとしていた。

 Microsoftは、TFSおよびVSTSを武器にALM(アプリケーションライフサイクル管理)市場へ本格参入する。この分野では、要件管理ツール、構成管理ツール、ソースコード分析ツール、テストツールなど、企業がミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションを開発するためのツールが求められている。

 ラプランテ氏によると、Microsoftはこの分野で成功するために、敷居が低く、生産性が高い統合型ツールスイートを提供する必要があると認識していたという。この認識に基づき、Microsoft Projectグループは1月、プロジェクト/ポートフォリオ管理用のソフトウェア/サービスのプロバイダーのUMTを買収した。

 「これは偶然ではない」とラプランテ氏は話す。「UMTは素晴らしいポートフォリオ管理技術を持っている。われわれは、CIO(最高情報責任者)およびPMO(プロジェクト管理オフィス)と技術チーム/開発部門を隔てている壁を取り除き、両者を結び付けるツールスイートを必要としていたのだ」

 またVSTSは、さまざまなロールをサポートする。同製品では現在、プロジェクトマネジャー、ソフトウェアアーキテクト、ソフトウェア開発者、ソフトウェアテスターがサポートされており、今後もロールが追加される予定だ。

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