「ユーザーが意識せずとも常時データを保護」、ファルコンストア

ファルコンストア・ジャパンは仮想テープライブラリの新版や、ユーザーが特に意識せずともデータを保護できる「IPStor DiskSafe v3.5」の販売を開始する。

» 2006年04月19日 20時10分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ファルコンストア・ジャパンは4月19日、ストレージ仮想化ソフトウェア「IPStor」の新バージョンを発表するとともに、仮想テープライブラリ「Virtual tape library v4」(VTL v4)と、Windowsクライアント向けのデータバックアップソフト「IPStor DiskSafe v3.5」を発表した。

 VTL v4は、IPStorの仮想化機能を用いて、ディスクアレイをテープライブラリとして扱えるようにし、ディスク-ディスク-テープ(D2D2T)によるバックアップ処理の高速化と信頼性向上を支援する製品だ。

 「他の仮想テープ製品にない機能として、転送するデータを暗号化するだけでなく、テープにエクスポートする際に暗号化して書き込む機能もサポートしている。これにより、万一テープが紛失や盗難にあったとしても、情報漏えいのリスクを削減できる」(同社執行役員営業本部長の青木登氏)

 新バージョンではサポートするテープライブラリの種類を拡大し、LTO3のエミュレーションに対応した。また、VTLをキャッシュとして利用できる機能も加わった。つまり、VTL本体と背後のテープライブラリを一体化して見せることにより、「より高速かつ失敗のないバックアップを実現できる」(同氏)という。

 一方IPStor DiskSafeは、IPStorと連動して、クライアントPCのデータ保護を実現するツールだ。同社はこれを単なるバックアップソフトではなく、障害が発生した場合でもデータのロスを最小限に抑えるCDP(継続的データ保護)製品と位置付け、5月中にも日本語化して提供していく計画だ。

DiskSafe 現在日本語化作業が進められているIPStor DiskSafeの画面インタフェース

 IPStor DiskSafeは、Windows PCのデータをIPStorがインストールされたサーバにレプリケーションし、障害やデータの消失などが生じた際にロールバックできるようにするツールだ。ボリュームやディスク単位での転送が可能な上、一度同期をとった後は差分のみを転送するため、ネットワークへの負荷が少ない点が特徴だ。IPStorサーバ側には8世代分のデータを保存できる。

 「わざわざバックアップ用の時間を用意する必要はなく、いったんポリシーを設定しておけば、障害が起こるまで放っておいても大丈夫になる。IPStorの管理下に入ることで、ユーザーが知らないうちにデータが保護される仕組みを提供していく」(青木氏)

 やはり5月には、あらかじめIPStorをインストールしたアプライアンス型の製品も提供していく予定だ。「大手企業はともかく、中小規模の企業となるとディザスタリカバリーやデータ保護といった部分はまだまだ手つかずのままだ。こうした市場に対し、本当に何も気にしなくていいCDP製品としてIPStor DiskSafeを提供していきたい」と青木氏は述べた。

 価格は、VTL v4がiSCSI対応タイプが270万円、ファイバチャネル接続タイプが450万円。IPStorは250万円、IPStor DiskSafeはスナップショットエージェント付きが6万8000円から、エージェントなしは3万5800円からとなっている。

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