── Sunは、Web 2.0のムーブメントにどのように取り組んでいくのでしょうか。
パパドポラス Web 2.0とは、「サービスが、人とどのようなやり取りをして、提供されていくのか?」ということです。われわれもWeb 2.0に参加しています。
ハードウェアとソフトウェアによって構築されるインフラと、その上で提供されるサービスは、分化が進むと考えています。インフラは、グリッド化やユーティリティー化が進み、「サービスプラットフォーム」となります。
一方、このプラットフォームの上でさまざまな新しいサービスが登場するでしょう。エンタープライズ分野では、WebサービスをSOA(サービス指向アーキテクチャー)の下でオーケストレーションすることで新しいアプリケーションを構築しようとしています。この領域では、われわれは昨年、SeeBeyondを傘下に収めています。
インターネットでも同じことが起こっていて、それが「Web 2.0」と呼ばれているのだと思います。まだカオスの状態ですが、サービスプラットフォームの上で、Googleなどが新しいサービスを次々と投入していますし、Oracle(やSiebel)がソフトウェアをビットの固まりとしてライセンスしているのに対して、Salesforce.comはサービスとしてCRMの機能を提供しています。こうしたことを目の当たりにしたソフトウェアベンダーらは、サービスに可能性を感じていると思います。
── 現在は、Googleのような力のあるプロがサービスを提供していますが、今後はどのようになるのでしょうか。オープンソースのムーブメントと同様、個人はかかわっていくことができるでしょうか。
パパドポラス 今は「参加の時代」です。例えば、「YouTube」のサイトでは、個人がビデオジャーナリストとなってニュースを発信することもできます。この場合は、YouTubeがプロとしてサービスを提供し、その上に消費者がさらにサービスを作り上げていくことになります。
いずれにせよ、バリューシステムは開発者らがサービスプラットフォームの上に構築することになります。プラットフォームベンダーは、開発者コミュニティーを引きつけ、一定の水準のサービスを低コストで提供することで競うことになります。IBMとは後者、つまりインフラで競うことになりますが、Sunの方がうまく戦えるでしょう。HPと比較してもそうですね。
一方、開発者コミュニティーに対してこの2社はうまく働き掛けられていません。彼らは、JavaやWindowsの開発者コミュニティーに依存しているからです。この領域でわれわれはMicrosoftと競合しています。だからこそ、オープンなサービス化を加速するために彼らと協業を決めたと言っていいでしょう。
Sunには、SolarisやJava、そしてハードウェアにおいても優れた技術や製品があります。これらを差異化の要素として、サービスプラットフォームを購入する企業と開発者という2つにリーチしたいと考えています。繰り返しになりますが、開発者らはお金を支払って何かを買ってくれるわけではありません。彼らには「参加」してもらうことが重要なのです。
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