Intelはセキュリティの強化や仮想化を、自社プロセッサを搭載したプラットフォームのリーチを拡大し、激化する競争をかわす方法と考えている。同社は先に、第1四半期決算で減益を報告した(4月20日の記事参照)。
ライバルのAMDはIntelからシェアを奪う形で勢力を伸ばしており、さらには次第に企業向けクライアントPC分野への拡大にも目を向けてきている。この分野は従来、Intelの牙城だった。
従って、Intelが側面の守りを固めなくてはならないこと、顧客をシングルコアからデュアルコアのデスクトッププロセッサ・プラットフォームに移行させようとしていることを考えると、同社は「デュアルコア(プロセッサ)は将来のデスクトップPCのために、今のPCではできないどんなことができるのかを示さなくてはならない」とPund-IT Researchの主席アナリスト、チャールズ・キング氏は指摘する。
「仮想化環境やハードウェアベースのパーティションで特定のデータやプロセスを守るというコンセプト(でこの問題に対処するの)は目新しい。それにこれは吟味する価値のあるアイデアだと思う」(同氏)
それでもIntelは、すべての企業がすぐにvProのセキュリティを使うとは期待していない。
vPro Professional PCはまた、ソフトのアップデートのような作業を簡単にするなど、PC管理を簡略化するための管理ツールも提供し、現行製品よりも消費電力が少ないとIntel幹部は主張する。
従って、ITコストの削減を最も重視する企業は、vProが提供する管理機能にもっと興味を持つかもしれないとブライアント氏は語る。
例えば、IntelのAdvanced Management Technology(AMT)のアップデート版は、ソフトのアップデートや、IT管理者がデスクまで行かなければならないその他の仕事を自動化すると同社は言う。
またセキュリティソフトメーカーのAltirisは、デスクトップ管理を簡単にしたい企業向けに、vPro PC内のパーティションの中に常駐する最初の管理エージェントに取り組んでいるとブライアント氏。
しかし企業は初め、セキュリティパーティションと管理パーティションの両方を備えたPCを注文することはできないだろう。それに最も高度な機能は、vPro Professionalマシンだけに導入されるという。
vProブランドで販売されるPCには2種類の構成がある。
vPro Professionalデスクトップは、Intelの次期版デュアルコアプロセッサ「Conroe」を搭載し、965チップセットをサポートする。同社によるとこのチップセットは、グラフィックス性能とオーディオ処理性能、ストレージ、デュアルモニタ設定が向上するという。
vPro Fundamental PCには現行版デュアルコアプロセッサ「Pentium D」と900シリーズのやや下位のチップセットが搭載され、Professional PCの管理機能のほとんどが搭載されない。
ConroeはPentium Dよりも40%高性能で、40%消費電力が少なく、vPro Professional PCの電力効率は(Fundamental)より高くなっているとIntelは主張している。
この新しいプラットフォームを基盤としたPCは、Dell、Gateway、Hewlett-Packard、LenovoなどのPCメーカーがから提供される予定だ。
第2四半期にはシステムのサンプル出荷が始まるが、vProデスクトップが市場に出回るのは、Conroeやほかの構成パーツが発表される第3四半期半ば以降になる見込みだ。
Intelは2007年に、vProの機能をノートPCに拡大する。次期ノートPCプラットフォームSanta RosaにはAMTや仮想化機能などが搭載されるとブライアント氏は語る。
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