Office Webコンポーネントは、2006年末に予定されているOffice 2007のリリース後も引き続き提供される。セキュリティ更新やバグ修正などのサポートも向こう数年間継続される。だが、このコントロールはOfficeに含まれなくなるため、管理者やユーザーは、このコントロールを必要とするWebアプリケーションを利用するには、別途このコントロールをインストールしなければならなくなる。
バージョン | 搭載製品 | メインストリームサポートの終了日 | 延長サポートの終了日 |
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OWC 9 | Office 2000 | 2006年6月30日 | 2011年6月30日 |
OWC 10 | Office XP | 2008年12月31日 | 2013 年12月31日 |
OWC 11 | Office 2003 | 2011年12月31日 | 2016年12月31日 |
MicrosoftはOffice Webコンポーネントの開発を中止し、自社製品からこのコントロールを徐々に削除していく。例えば、Access 2007とSharePoint Designer(FrontPageの後継製品)には、このコントロールを使用する機能は搭載されない。SQL Server 2005 Reporting Servicesでも、このコントロールはデフォルトでは使用されないが、このコントロールを使用する機能は引き続き提供されており、SQL Server 2000 Reporting Servicesをアップグレードした場合でも、この機能は自動的に有効になる。また、Project Server 2007はこのコントロールを引き続き使用するが、このコントロールは以降のバージョンでは使用されないだろう。Business Scorecard Managerの次期バージョンについてもそのように予想される。
Microsoftは、ExcelスプレッドシートをWebに発行する機能として、Excel Servicesを推奨している。SharePoint Server 2007に搭載されるこの機能は、サーバ上でスプレッドシート機能、ピボットテーブル機能、グラフ機能を実行するもので、ブラウザからアクセスできる。Excel ServicesはOffice Webコンポーネントに比べて以下のような利点がある。
しかし、Excel ServicesにはOffice Webコンポーネントの一部の機能が欠けており、例えば、ブラウザユーザーは数式を変更することができない。また、Excel ServicesへのアクセスはOfficeの価格には含まれず、ユーザーはSharePoint Enterpriseクライアントアクセスライセンス(CAL)を別途購入しなければならない。
管理者はOffice 2007の導入を計画する際に、Office Webコンポーネントを使用するWebアプリケーションを洗い出し、こうしたアプリケーションを利用するすべてのOffice 2007クライアントにこのコントロールを展開しなければならない。このコントロールはOffice 2007やWindowsとともにイメージとして展開でき、Systems Management Serverやグループポリシー、あるいは類似のツールを使って後で展開することもできる。
Webアプリケーションを計画している開発者は、Office Webコンポーネントやクライアント側ActiveXコントロールを採用する前によく考えるべきだ。ActiveXコントロールに起因するIEのセキュリティ問題が頻発しており、IE 7では、ほとんどのActiveXコントロールがデフォルトでは無効になる。Microsoftは、ActiveXコントロールの役割を完全になくそうとしているわけではない。Office 2007は、Visioファイルビューアや、SharePointサイト上のデータを編集するためのSharePointデータシートリストコントロールなどとともに出荷される。しかし開発者は、5年以上先を視野に入れる必要がある新規プロジェクトではOffice Webコンポーネントの使用を避け、新しいWebアプリケーションではActiveXに代わる選択肢(AJAXプログラミングなど)を考えるべきだ。
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