ニュース
» 2006年05月18日 06時32分 公開

SAPPHIRE '06 Oralando Report:SAP ESAが顧客、そしてSAPにもたらす恩恵とは? (1/2)

フロリダ州オーランドで開催中のSAPPHIREは2日目を迎え、SAPを率いるカガーマン会長兼CEOがキーノートに登場、SAP ESAが顧客にもたらす恩恵を具体的なイメージで語った。

[浅井英二,ITmedia]

 「ITをビジネスの戦略的武器とするためにESAを今すぐ導入しよう」── SAPを率いるヘニング・カガーマン会長兼CEOは、フロリダ州オーランドに集まった1万5000人の顧客やパートナーらに訴えた。

オレンジカウンティ・コンベンション・センターの巨大なキーノート会場で顧客らにESAを語るカガーマン会長兼CEO

 米国時間の5月17日朝、オーランドで開催中の「SAPPHIRE '06 Orlando」は2日目を迎えた。初日のオープニングキーノートではSAP ESA(Enterprise Services Architecture)のリアリティが語られたが、イノベーションの触媒として提供されたNetWeaverは、「Business Process Platform」(BPP)へと進化し、約束どおり2007年にはESAが完成する。2日目のキーノートでは、ESAへのロードマップが完了すると、それが顧客にどのような恩恵をもたらすかについて焦点が当てられた。

 また、ステージではAdobe Systemsと共同で開発を進めるリッチクライアントの「Project Muse」も紹介され、人の生産性にかかわる部分でも幅広い選択肢が与えられるという。

前倒しで実現してきたESAのロードマップ

 SAPは2003年にESA構想を発表して以来、そのロードマップを常に前倒しで実現してきている。2005年にはすべてのインダストリー向けのmySAP Business SuiteがNetWeaverに対応し、2006年には古いバージョンのSAP R/3向けにもコネクタがリリースされ、ESAによる既存資産のサービス化も実現されている。SAPによれば、すでに300を超える顧客でESAの導入が進んでおり、ISVからも400を超えるNetWeaver対応製品が準備されているという。

 しかし、SAPのESA構想は性急な製品のアップグレードが求められているわけではない。「リスクを避けながら段階的に移行でき、しかもリターンはすぐに得られる」とカガーマン氏は話す。

 この日は、フラグシップ製品の最新版である「mySAP ERP 2005」の広範な正式出荷も発表された。mySAP ERP 2005はNetWeaverを基盤とし、インダストリー固有の機能もコアのERPに組み込まれているという。また、mySAP ERP 2005では、約300のEnterprise Servicesが提供されるという。Enterprise Servicesは、単なるWebサービスとは異なり、ビジネスの言葉で理解できるのが特徴だ。

「共通のビジネス言語が必要」

 カガーマン氏は、多くのCEOが共通に抱える経営課題として、「複雑さ」と「ビジネスモデルや製品に革新性がないこと」の2つを挙げるという。後者は、競合他社によってすぐに製品やサービスが模倣されるということであり、自ずとスピードが求めせれる。たとえ革新性があったとしても、それが陳腐化するスピードはますます加速しており、企業は新しい製品やサービスを迅速に提供するためにビジネスプロセスを絶えず変えていかなければならない。

 「社内だけでなく、パートナーや顧客との“ビジネスコネクティビティ”が重要であり、その自動化がスピードを加速するカギを握る」とカガーマン氏。

 昨年のSAPPIRE '05 Bostonでカガーマン氏は、企業の枠を超えてコラボレーションできる「Adaptive Business Networks」について話をしている。硬直化したバリューチェーンが、企業を超えて容易に組み替えられるようになると、自ずと淘汰が起こる。企業は専門性を高め、ビジネスネットワークの中で必要に応じてバリューチェーンを構成し合うという考え方だ。

 しかし、企業の枠を超えてコラボレーションするためには、共通のビジネス言語が必要になる。そこでESAでは、「Enterprise Services Repository」を用意する。中堅企業向けのソリューションであるmySAP All-in-Oneはもちろんのこと、製品自体が異なる中小企業向けの「SAP Business One」においてもEnterprise Services Repositoryを核に据える計画だ。これによってSAPの顧客企業は規模の大小にかかわらず、バリューチェーンに対して容易に参加できるようになるはずだ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -