カガーマン氏はまた、計画どおり2007年にSAP ESAのロードマップが完了すると、システムの「デザイン」から「実装」「利用」「運用」「変更」に至るそれぞれのフェーズで、顧客がどのような恩恵を享受できるかについても具体的なイメージで話をしている。
デザインは、コーディングからモデリングに変わり、「100%のコンプライアンス」が実現できる。実装もビジネスアナリストが質問に答えていくことで可能となり、「1/5に期間短縮」できるという。
利用面では、Duetや注目のProject Museといった、さまざまなユーザーインタフェースが選択肢として提供され、「生産性は2倍」になるとする。「自動化された、人を中心に駆動されるプロセスをつなぎ合わせていくことで、利用面では標準化ではなく、むしろ個別化を実現できる」とカガーマン氏は話す。
さらに、運用も自動化が進み、「TCOは1/2」になり、また、BPM(Business Process Management)がきちんと機能し、「変化への対応も10倍スピードアップ」されるという。
もちろんBusiness Process Platformは、ベストプラクティスを迅速に導入するだけでなく、xAppsによるイノベーションも可能なプラットフォームだ。
キーノート後のプレスカンファレンスでカガーマン氏は、「SAPはビジネスプロセスのリーダーでありたいと願っているが、われわれはプラットフォームをパートナーや顧客らにも開放し、彼らと一緒にイノベーションを実現する道を選んだ」と話した。彼はそれを「オープンさと責任の組み合わせ」と呼ぶ。
SAPは、Business Process Platformによって、「統合」と「標準化」に責任を持ち、ハードウェアのようなテクノロジーの領域は顧客の選択に任せ、アプリケーションの領域はパートナーや顧客らと一緒にイノベーションを実現していくというのだ。
Officeと連携するツールのDuetをMicrosoftと共同開発したり、リッチクライアントのProject MuseをAdobeの技術で開発を進めているのもこうした考え方を反映しているといえる。ESAは、SAP自身も大きく変えようとしている。
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