ゲイツ氏からのメール――「ビジネスインテリジェンスを超えて」(2/3 ページ)

» 2006年05月19日 16時17分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

情報過多/不足問題の解決に向けて

 この次世代のソリューションの可能性を実現するために、Microsoftは以下に示す個々のビジネス課題に対処するソフトウェアの開発に注力している。

生産性:インフォメーションワーカーの疲労は、情報過多がもたらす必然的な結果の1つである。当社はインフォメーションワーカーが仕事の優先順位付けを行い、真に重要なタスクに集中するのに役立つツールの開発に取り組んでいる。それと同時に当社は、同僚や顧客とのコミュニケーションに使用するすべてのツールへの単一の入口を提供する統一的コミュニケーションソリューションの開発に取り組んでいる。

コラボレーション:新しい会議技術は、簡単で費用対効果の高い分散会議を実現するとともに、チームのメンバーが共同でドキュメントや計画を作成することを可能にするリッチなツールを提供する。さらに、会議中のすべてのやり取りを取り込み、今日では失われてしまうことが多い組織的な知識を保存できるようになるだろう。

ビジネスインテリジェンス:インフォメーションワーカーは、収集したデータの大海の中から意味のあるパターンを見つけるために、高度な仮想化と情報のモデリングをサポートする、強力かつ直感的なソフトウェアを日常的に使用するようになるだろう。また、このソフトウェアを通じて得られた洞察は、企業がビジネス環境の変化に迅速に対応するためのプロセスを実行するのに役立つ。

ワークフローの最適化:賢いワークフローソフトウェアは、組織の俊敏性を損なう摩擦要因を取り除く。これらのツールは、承認、アラート、例外処理の流れを自動化する。また、既存プロセスにおける非効率的な個所を認識し、改善を加えるようなインテリジェンスも備えるだろう。

 Microsoftでは、エンタープライズ情報アクセスという問題にも特別な関心を払っている。デスクトップ、イントラネットあるいはWeb上に情報を保存することができ、また担当者が地球の反対側にいる可能性がある今日の世界では、エンタープライズ情報にシームレスにアクセスできるようにするのは容易なことではない。

 出発点として重要なことは、Webをはじめとするさまざまな場所で情報を見つけるためにユーザーが利用している従来の検索ツールにとどまることなく、さらに次の段階を目指すことである。企業が情報を作成/保存するやり方に合わせてソフトウェアを改良し、電子メール、個別業務アプリケーションに保存された情報、社内データベースに保存された情報など、あらゆるタイプの構造型/非構造型ビジネスコンテンツを検索できるようにする必要がある。このソフトウェアのベースとなる検索エンジンは、検索結果の関連性とランキングがビジネスユーザーのニーズを満たすために、アルゴリズムを活用するとともに、ビジネスコンテンツを扱うようにデザインされた機能を備えている必要がある。

 エンタープライズに対応した検索機能は、ソリューションの1つの側面に過ぎない。企業における情報アクセスにとって最大の障害の1つは、データがさまざまなリポジトリに保存されているという事実である。これは極めて非効率的なプロセスにつながり、インフォメーションワーカーは顧客に電子メールを送信するという単純なタスクを実行するだけでも、使用中のアプリケーションから離れて別のアプリケーションにログインし、データを検索してそれを紙に書き留めた後、元のアプリケーションに戻るといった面倒な作業を強いられる。これは生産性を大きく阻害する。Microsoftの目標は、エンタープライズ情報アクセスソリューションを提供することである。このソリューションは、情報がどこに保存されていようとも、現在使用中のアプリケーションから離れることなく、必要な情報に到達するための統一的な方法をインフォメーションワーカーに提供するものであり、これにより彼らは素早く賢明な判断を下し、行動を起こすことができるようになる。

 加えて、従業員が持っている知識を最大限に活用する方法を見つけることが、依然として、すべての組織おいて困難な課題となっている。平均的な組織における専門知識の80%は、文書化されておらず、見つけることが困難な「暗黙知」であるという推定もある。次世代のソリューションでは、インフォメーションワーカーはソーシャルネットワークを利用して、特定のタスクを遂行するのに必要なサポートを提供できる当該分野の専門家を見つけることができるようになるだろう。

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