Vistaは順調に進んでいる? 検証ツールとロゴプログラムに進捗(1/2 ページ)

2006年のWinHECの参加者が持ち帰ったもので、最も価値のあるアイテムは、Longhorn ServerおよびVistaのβ版を収めたDVDだった。同社は、今後2年をかけて両プラットフォームを支援するよう強く呼びかけている。

» 2006年06月14日 07時00分 公開
[Paul DeGroot,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 Microsoftが2006年5月にシアトルで開催したパートナー、メーカー、ISVを対象とする年次イベントWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)では、今後2年をかけて同社のプラットフォームを支援するよう強く呼びかけた。また、同イベントに合わせてWindows Server、WindowsデスクトップOS、Officeのβ2がリリースされている。

Longhorn Serverは仮想化技術に注目

 次世代のMicrosoftのWindowsサーバには、デスクトップクライアントのVistaを取り巻くニュースや議論によって暗い影が投げ掛けられているが、今回のWinHECではいくつかLonghorn Serverの機能が披露された。その中で注目されるのは、Longhorn Serverのアドオンとしてリリースが計画されている仮想化機能である。

 Longhorn Serverに組み込まれるハイパーバイザーは、システム上の仮想マシン(VM)を管理するテクノロジーであり、次のような機能を備えている。

  • Virtual Server 2005など現在の仮想化製品を用いて作成されたVMのサポート
  • MicrosoftのVMクライアントとしてのLinuxサポート
  • 32ビットVMと64ビットVMの同時実行機能
  • ネットワークアダプタなど入出力ハードウェアの仮想化をより効率的に実現するアーキテクチャ。VMの全体的なパフォーマンスの向上が期待できる。
  • VMの仮想ハードウェアのホットスワップ。WinHECでは、再起動せずにネットワークアダプタをVMに追加するデモが行われた。
  • 各VMが利用できるメモリ量が32Gバイトに拡張(現在は最高3.6Gバイト)。メモリの設定はオンザフライで変更できる。
  • VMでのマルチプロセッサのサポート。1つのVMで最高8プロセッサまで利用できる。

 Longhorn Serverの今後のβにはハイパーバイザーが実装される予定だが、最終リリースはLonghorn Serverの正式版のリリースから約6カ月後になる見込みだ。

 また、新しいターミナルサービステクノロジーのデモも行われた。新しいサービスでは、Longhorn Serverのターミナルセッションで実行されている特定のアプリケーションにブラウザからアクセスできるようになる。たとえば、会社のデータベースは容易にローカルにコピーできないことが考えられる。このような場合に、ブラウザを使用して会社のデータベースに安全にアクセスできるようになる。

Vistaでの動作を検証するツールを提供

 Vistaの主要機能のほとんどは既に周知されており、目新しい発表はなかった。新しい話題としては、Windows Rallyなど一部の機能に新しい名称が付けられたことと、高圧縮でも高画質を維持できるという新しいデジタルイメージングフォーマットのWindows Media Photo(WMP)のバージョン1.0がリリースされたことだ。WMPは、2005年のWinHECで発表された新しいデジタル画像および文書フォーマットのXML Paper Specification(XPS)に組み込まれる予定である。WMPはVistaと同時にリリースされる予定だが、同技術が市場で成功を収められるかどうかは、ISVやハードウェアメーカーが同技術とそのライセンス条項を受け入れる速度にかかっている。

       1|2 次のページへ

Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.

注目のテーマ