「ジャイアンじゃないよ、シャイアンだよ!」女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

» 2006年07月06日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 当日の現場立ち会いは、わたしと顧客管理部門の係長に加え、力仕事担当の若手社員の3名で行った。不毛な会話で時間をつぶしているところに、クライアントPCとDATがいっぺんに届いた。人手が足りないこともあり、まずはクライアントPC20数台のセットアップという力作業から全員で一斉に着手した。幸いなことに、年式の割には踏ん張りがきくPCばかりだったらしく、運搬中に故障したものはない。

さあ、ファイルサーバのリストア開始!

 さて残るは、ファイルサーバのリストアだ。リストアが終わるまで、ただ何時間も待っているわけにはいかない。リストアが始まったら一旦解散しよう、となごんだ雰囲気になったのもつかの間。実はそれからが祭りのような大騒ぎになってしまった。

 新しいサーバのバックアップソフトを立ち上げ、バックアップデータが入ったDATを認識しようとするが、どうやっても読めないのだ。ほかの新規メディアは認識されるのに、リストアしなければならないDATだけがどうしても、読めない。あわてふためいたわたしは、移転元の担当者にすぐさま連絡をとった。

わたし:「どのサーバに入れても読めないのだけど、このDATそちらでは読めた? 」

移転元の管理者:「当然。データがリストアできることも確認済み」

 うーん、と電話を持ったまま二人ともうなってしまった。

わたし:「ソフトは××××だよね?」

移転元の管理者:「そう。バージョンは違うみたいだけど」

 それだ。バージョンのせいかもしれない。急ぎバックアップソフトベンダーのFAQを確認した。しかし、バージョンによってメディアが読めなくなるという情報はどこにも載っていなかった。ただ、あるバージョンから仕様が著しく変わっているとの注意書きが目に付いた。当時、ストレージソフトは会社の吸収合併が激しく、それを機に大きな仕様変更が行われることも珍しくなかった。わらにもすがる思いで、移転元の担当者にソフトの外箱にあるメーカー名を尋ねてみた。

わたし:「そのバックアップソフトの箱にシャイアンって書いてある?」

移転元の担当者:「えっ? ジャイアン?」

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