一瞬、システム管理者を悩ませる黄色いセーターのいじめっ子が頭に浮かぶ。違う。それじゃない。
「ジャイアンじゃなくて、シャ・イ・ア・ン。上海のシャ。それだと今のメーカー名に変わる前のバージョンだからかなり古い。一応、バージョン合わせてやってみようかと思っている」と伝えた。たまたま手元にも同じバージョンがあり、別のサーバにそのバージョンをインストールして問題のDATが読めるか確認してみたが、残念、やはりだめだった。
なぜ、向こうのDATドライブなら読めるのだろう? 土、日のためソフトメーカーのサポートセンターにも問い合わせもできない。データ量から見て、土曜日の夜のうちにリストアを行わないと、月曜日の始業までに動作確認が間に合わない。もうすでにあたりは暗くなり始めている。わたしは意を決して、再度向こうの担当者に連絡をした。
わたし:「バージョンを合わせてもダメだった。残された方法は、そのDATドライブでリストアするしかない」
向こうの担当者もこちらからの連絡を待っていていた。「分かった、今からタクシーでこのDATドライブを運んでいくから」
既に心は決まっていたかのような返事が戻ってきた。同じ都内ではあったが、向こうの担当者は既にすべての作業が終わっている。そんな中、1時間も移動に時間のかかるこちらのビルまでDATドライブを運んでもらうのは非常に心苦しかった。しかし、もうそれが残された最後の手段だった。
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