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» 2006年07月18日 08時00分 公開

Web2.0型金融ビジネスは成り立つか:「ネット金融2.0」のカギ (1/2)

Web2.0型ビジネスの代表格でもあるSNSの応用サービスを見ると、そのビジネスの特徴は、「情報の信ぴょう性」と「ユーザーの実名性」にあることが分かった。ところが、それらは直接、「ネット金融2.0」に貢献する要素になりそうもない。だからといって「ネット金融2.0」が成り立たないわけではないようだ。それを証明しようとしているのが、GMOインターネット証券の取り組みである。「API(※1)の公開」を基にした、新たな切り口によるビジネスモデルを模索だ。

[アイティセレクト編集部,アイティセレクト]

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「Web2.0型金融ビジネスは成り立つか――革新か、禁じ手か 『ネット金融2.0』の実態に迫る!」でご覧になれます。


 「ショッピングSNS」の「ビルコレ」は、ネット上に流れる情報が一定のコミュニティ内に限定されれば、その信ぴょう性が高まることに着目している(Web2.0型金融ビジネスは成り立つか:Web2.0型ビジネス研究 ショッピングSNS編参照)。ユーザー同士の間に信頼が培われれば、「利益配分」も可能であることを証明しようとしている。一方、「オープンなSNS」の「エキサイトネームカード」では匿名性の高いコミュニケーションから脱皮することにより、ユーザーコミュニティが活性化することを期待している(Web2.0型金融ビジネスは成り立つか:Web2.0型ビジネス研究 オープンなSNS編参照)。そして、彼らユーザーのプロファイリングを一層明確にすれば、「ピンポイント広告」の集稿が増える可能性があることも示そうとしている。つまり、Web2.0時代のネットビジネスには、「情報の信ぴょう性」と「ユーザーの実名性」の2つが高まった世界がもたらされるようになったのである。

 「情報の信ぴょう性」と「ユーザーの実名性」の2つが高まった世界がもたらされた――その言葉だけを耳にすると、それこそ金融ビジネスにとって好都合な環境になったのではないかと、単純に連想する。だが、実用的ではないようだ。というのは、その信ぴょう性と実名性の高さは、「ユーザー間において」だからである。

 例えば、銀行業で預金者同士の実名性が高まれば、マネーロンダリングなどの不正行為は避けられるようになるかもしれないが、個人の秘密がオープンになれば、「預金者保護」の観点で問題が生じてもおかしくない。あえてメリットを挙げるとすれば、ネットオークションなどネット上の個人間決済においてお互いを確認するのに役立てられる可能性があることかもしれない。

 証券業でも、信ぴょう性の高い情報を流し合ったところで、デイトレーダーなど「瞬時のクリック」を生業にしている人にとっては見ている暇などないと思われる。情報の流通経路によっては、インサイダーなどになりかねない危険性すらはらむ。

 こうしてみると、「ネット金融2.0」は夢想にすぎないように見えてしまうが、実はそうでもないようだ。GMOインターネット証券が、それを証明しようとしている。

GMOインターネット証券のサイト画面(http://sec.gmo.jp/)

ネット証券革命なるか

 GMOインターネット証券は、「インターネット証券2.0時代の到来を踏まえ、ネット証券革命を起こす」と意気込んで開業した。その特徴の1つとして、「Web2.0に対応した、革命的でユニークなサービスを取り入れ、顧客一人ひとりの投資スタイルに合わせた投資環境を提供する」としている。そのWeb2.0型ビジネスとは一体どんなものなのだろうか。そして、それは既存のネット証券各社らのビジネスモデルとどこが違うのだろうか。

 その答えは、「APIの公開」にある。

 APIを公開すれば、それを基にさまざまな人が「兄弟プログラム」を開発することができる。それは結果的に、「同じDNAを持つアプリケーションが無数に存在すること」になる。

※1 アプリケーション・プログラム・インタフェースの略。ソフトウェア開発におけるプログラム上のルールを意味する。それに従えば、基となるソフトと共通する機能を自らプログラミングすることなく、そのソフトをカスタマイズできる。

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