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» 2006年07月20日 08時00分 公開

「狙うは国内シェア30%超」──ついにSUSE Linux Enterprise 10が登場 (2/2)

[西尾泰三,ITmedia]
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日本独自のプロモーションも展開

 Linuxディストリビューションで最大の競合製品となるであろう「Red Hat Enterprise Linux 5」に先駆けてリリースされたSLES10は、エンタープライズ向けの商用Linuxディストリビューションとしては初めてXenを標準搭載するなど、製品としてはよく練りこまれたものに仕上がっている。

 ノベルの調べでは、Linux市場におけるNovellのシェアはワールドワイドで約30%だというが、日本国内に限定すれば、もう少し低い値となっているという。これはマーケティング的な部分に問題があると判断したのか、今回はプロモーションなども大規模に展開するようだ。

 具体的には、底辺からのユーザー拡大を狙う一施策として、教育機関向けにSLED10を無償で提供するプロモーションを日本独自で8月から展開すると発表された。名前は明らかにされなかったが、すでに交渉の最終段階にある大学もあるという。

 併せて、評価リポートをノベルに送付することで3000円の商品券がプレゼントされるほか、導入事例として紹介を許諾した場合のライセンス半額プラン、Novell Cool Solutionsに掲載された情報の翻訳・検証に対して1件1万円の懸賞を実施するなど、さまざまなキャンペーンも行うとしている。

消えた「Novell」の文字、それが意味するのは……

 Novellはこの6月に、ジャック・メスマンCEOとジョセフ・ティベッツCFOを解任、新CEOにロナルド・ホブセピアン社長を任命する人事を発表している。プラスケット会長は「当社の成長戦略遂行加速のためには、経営陣の交代が最善だと取締役会で判断した」と説明しているが、新しい成長戦略のシナリオとして、気になる動きも今回の発表ではかいま見える。

 それは、SUSE Linux Enterprise 10では製品名にそれまでは付けられていた「Novell」の文字が消えていることだ。こうした方がマーケティング上有効だと判断したからだと思われるが、このことは、Linux市場での成功においてNovellというブランドが足かせとなっていたことを意味しているようにも受け取ることができる。このあたりが今後どのように説明されるのかを注目したい。

 ちなみに、ノベルの代表取締役社長、堀昭一氏は上述の人事に関連してコメントを求めた際、次のように話し、ビジネスとしては何ら問題ないことを説明している。「ロン(編注:ホブセピアン氏)がCEOとして全権を持ち、オープン・エンタープライズ・ソフトウェア企業としてオープンソースとオープンスタンダードの商業ソフトウェアのミックスソースのビジネス展開を積極的に推進することで、結果としてノベルの業績も拡大すると確信しています」。

 しかし、ノベルのパートナーやユーザーとしては、むしろ以下のコメントのほうが安心できるかもしれないのでこちらも紹介しておこう。

 「ロンは日本ならびにアジアでのビジネスに強い興味を持っており、日本へのサポートも積極的に行ってくれています。個人的な話をすると、わたしが本社を訪問した際に、最初に会って話をしたのがロンでした。その日の彼のスケジュールは一杯だったにもかかわらず、特別に朝の7時に出社してくれ、日本市場に強い関心を持っていることを熱心に語ってくれました。その後もわたしに直接電話をかけてきてサポートできることはないかと個人的にも日本をサポートしてくれています。

 このように、日本のマーケットに強い関心を持っているロンがNovellのトップとなったことは、ノベルが日本市場を拡大していく上で本社からのサポートを今まで以上に受けられることになるため、われわれノベルの社員、パートナー、顧客の皆さんにも朗報であると確信しています」

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