飛躍するLTOテクノロジー、その知られざる秘密(1/3 ページ)

現在最も成長しているテープストレージ技術といえば、LTOテクノロジーだ。オープンスタンダード技術として、健全な競争を行っている結果、ユーザーが安心した投資を行えると判断できる製品となっているからだ。

» 2006年07月24日 08時30分 公開
[関根史和,ITmedia]

 テープストレージの市場シェアという意味では、前回紹介したDDS/DATテクノロジーは50%弱と右に出るものはいない。だが、いま最も成長しているテープストレージ製品といえば、LTO(Linear Tape-Open)テクノロジーが挙げられる。

 2000年にリリースされた初代製品以来、LTOテクノロジーは大きくマーケットシェアを拡大させてきた。ユーザーに幅広く受け入れられた理由はさまざまだが、最大の理由としては、明確なロードマップに裏付けされたオープンスタンダード技術であることだろう。この結果、各参加メーカーの健全な競争が価格や製品仕様に反映され、ユーザーが安心して長期的な投資を行うことができたと考えられる。

長所を集約したオープンフォーマット技術

 LTOは、HP、IBM、Quantumの3社が共同で開発したオープンフォーマット技術である。オープンフォーマットとは、LTO技術のライセンスを取得すれば、誰でもLTOフォーマットに準ずるドライブ、もしくはメディアを開発し、販売できるということだ。フォーマットの互換性を保ちつつ、各社が独自の特徴を持った製品を提供するため、ユーザーもニーズに合わせて製品を購入できる。

 また、LTOフォーマットは、既存の各種テクノロジーの長所を基盤にして、まったく新しいフォーマットとして開発された。いわば、信頼性や性能に妥協することなく設計されているのだ。まずは各技術から取り入れられた長所を見てみよう。

From DLT

LTOでは、DLTの機能を向上させたシングルリールカートリッジを採用したほか、高速度に対応できる安定したリニアテープパスを持つ。LTOは、2〜4つのガイドローラを使用することで、テープパスをさらに簡素化した

From SLR&QIC

連続タイミングベースのサーボ機構を採用。サーボトラックはメディア上に埋め込まれ、LTOではさらに高精度の2つのサーボトラックを使用している

From DDS

高精度なデータ保全。LTOでは、エラー検出と訂正機能をさらに向上させて搭載している

From Disk drive head technology

高性能リード&ライトヘッドを採用し、MR読み込みヘッドと電磁誘導型書き込みヘッド搭載している

From Magstar

LTOでは、高信頼性のカートリッジリールギアとリールロックを採用し、実績のあるMP媒体を核に設計された。ハイパフォーマンスのALDCデータ圧縮機能も採用している

From AIT

カートリッジメモリの採用。メモリのフォーマットにANSI SCSI3規格を採用することにより、幅広いソフトウェアに対応。LTOではさらに向上した非接触カートリッジメモリを採用している

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