これからのシステム運用のあるべき姿とは――Senju Familiyによる運用管理改善のすすめニュースコラム(2/3 ページ)

» 2006年08月02日 22時00分 公開
[柿島真治,ITmedia]

「つくり1年、まわし10年」の情報システム

 情報システムのライフタイムでは、「つくり1年、まわし10年」としてシステム全体を見ると開発プロセスに目が行きがちだが、システム全体のライフサイクルのなかでは、開発プロセスは1年程度、その後10年ほどの運用期間が来るとし、開発よりも運用のプロセスが重要だとした。

 さらに、運用の品質に関しては、運用しながらでないと検証できず、開発時に運用期間を見据えた要件定義がしにくい現在、運用しながら改善するしかないと説明。そして、「小さく始めてまわしながら育てる」として、開発時に「あれもこれも」と組み込まず、変化を前提としてシステムを設計し、運用しながらユーザーの反応を見て機能改善を行ってゆく、運用の期間を攻めに転じるように変革するべきだとした。

 また、システム運用の現場では、設計や開発工程でのムリ、ムダの証跡が残っており、これを運用現場だけで何とかしようとするのではなく、上流工程にフィードバックし、改革のトリガーとしてよりよいシステムの構築に役立てるようにするべきだと紹介。現場での体験から「べき、べからず集」を作成し、それを還元して上流工程から運用管理の品質を作りこむようにすることで運用しやすいシステムの開発が可能になると提言した。

システム導入時は開発に目が行きがちだが、ライフサイクルを考えると運用こそが重要と語る浦松氏

運用管理の自動化、一元化をSenju Familyで実現

 続くセッションでは「システム運用現場における“できたらいいな”の実現」として、Senju Familiyによるシステム運用改善の実例がNRI システムマネジメント事業本部 千手サービス事業部の和田秀樹氏より紹介された。

 まず「システム運用のあるべき姿を描く」として、システム運用の統合/標準化/可視化といった改善点を挙げた。統合に関しては、Senju FamilyのなかでSmart Enterprise Navigatorを利用し、Senju FamilyのeXsenjuだけでなく、他社の運用管理ツールなどからのメッセージを統合し、運用基盤を統合することが紹介された。

 標準化に関しては、プロセスのフローや定義を明文化して標準化すること、研修や社内認定試験を活用して運用に携わるスタッフのスキルを一定水準確保する人材スキルの標準化などが紹介された。

 可視化についても、Smart Enterprise Navigatorの機能を活用し、運用管理ツールからのシステムの状態を知らせるメッセージを必要な人に必要なかたちで視覚的に提供できるようになるとした。

 さらに、システム運用の自動化としてSmart Enterprise Navigatorを利用してレポート作成やエスカレーション業務の自動化を行う例が紹介され、これによって工数削減や人手によるミスの発生といった運用管理現場のニーズに応えることを紹介した。

 また、これからの運用管理現場では日本版SOX法に沿った統制が必要になるとし、アクセス管理などをSenju Familyを利用して行う例が紹介された。

 さらに「現場の声を吸い上げる」として、障害への迅速な対応、障害を未然に防ぐ、オペレーションミスの削減といったニーズへの対応を行う例も紹介された。

Senju Familyによる運用管理の改善について紹介する和田氏

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