化粧直しされたMSの運用管理ソフト「MOM」(2/3 ページ)

» 2006年08月03日 08時00分 公開
[Cameron Sturdevant,eWEEK]
eWEEK

大きな変更点

 MOM 2005とSCOM 2007の間にレガシー統合性が存在しないのは確かに問題だが、これはつまり、Microsoftが古いMOMを新たな管理製品であるSystem Centerファミリーに組み込むため、コードを一掃したことを示唆している。

 SCOM 2007のβ版をインストールしてみて、MOM 2005とSCOM 2007には非常に大きな違いがあることも分かった。以前からMOMで利用され、Microsoft Exchange ServerやSQL Serverの管理者にはなじみ深かった、ツリー形式の「MMC(Microsoft Management Console)」が搭載されていないのである。その代わり、SCOM 2007には整然とレイアウトされたダッシュボードが追加され、レポーティング機能も緊急を要する問題の情報をより効果的に表示できるように改善された(eWEEK研究所は、長期間MOMを使用してきている)。

 新たなダッシュボードのレイアウトで特に目を引くのが、先進的な発見機能が搭載されている点だ。この機能は、「Microsoft Active Directory」と併用した場合にさらなる効果を上げる。

 今回の試験では、同発見ツールを用いてActive Directoryを一覧し、テストネットワーク上のすべてのWindowsサーバおよびデスクトップシステムを簡単に管理下に置くことができた。システムを見つけ出し、エージェントの実装作業を開始する手間が大幅に省かれた点は、従来のMOMには見られない、SCOM 2007のすぐれた改良点である。現時点ではMOM 2005のエージェントを稼働させているマシンすべてに、新たなSCOM 2007エージェントをインストールすることが移行の第一段階であることを考えると、この発見ツールは作業負荷の軽減に役立つと考えられる。

 Active Directoryを利用している場合、最初の発見プロセスは自動化されているが、小規模なグループがネットワークに加わる際にそれを検知するよう設定することも可能だ。

 同発見ツールを用いて、個々のシステムの追加も行ってみた。SCOM 2007のために特定しなければならない詳細事項が多いので、この作業は前述の初期発見プロセスよりはるかに難しい(MOM 2005でも同様の問題がある)。

 また、SCOM 2007に搭載されたテンプレートとデザインツールは、Exchange Sever 2003やSQL Server 2005システムなどのマシンをグループ化し、管理するのに役だった。

 複数のシステムを図表化して表示できるので、特定の管理グループ内のどのマシンに注意を払わなければならないか、すぐに把握できる。

 この新たな図示機能は、MOM 2005で初めて登場した「Visio」ベースの図形用インタフェースに代わるものであり、使用が簡単であることと、緊密な統合性を備えていることが特徴になっている。

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