日立のアプリケーションプラットフォームの最新バージョン「Cosiminexus Version 7」には、これからの企業システムを支える最新機能が数多く実装された。今回から数回にわたりCosminexusの改良点を見ていくが、今回はCosminexusの概要と、SOA基盤としての改良点を見ていこう。
企業の情報システムには、変化するビジネス環境に柔軟に対応できるWebテクノロジーを活用した高信頼なWebシステムが必要であり、Webシステムの優劣はビジネスの成否を決定付ける要因となっている。
ビジネス環境の速い変化に対応するWebシステムにするためには、今まで以上に短期間で、信頼性の高いアプリケーションを開発しなければならない。開発分野では、プラットフォームに依存しないJavaによる開発が浸透している一方で、新しいテクノロジーを多く含むサーバサイドのアーキテクチャに追随しながら、短期間で高信頼なアプリケーションを開発できる環境づくりが重要である。この問題を解決するアプローチの一つがSOA(Service Oriented Architecture)である。日立では、これらの機能の利用実績やSI事例から、IT基盤を実現するためのポイントとなるノウハウを蓄積してきた。
そこで日立が提唱しているのが、アプリケーションに共通の環境を提供する『ユニバーサルアプリケーションプラットフォーム』である。図1に示すように、インターフェイス/プロセス/情報と、システム連携でキーとなる各レイヤーでアプリケーション環境を統一し、これに開発基盤と運用基盤を加えることで、各種プラットフォーム上の資産をサービスとして効率良く柔軟に組み合わせられ、かつ高い信頼性で実行・運用できるアプリケーション基盤を確立した。
Cosminexusは多くのソリューションコンポーネントを用意しており、必要な部分だけをチョイスできる製品構成を採用しているため、スケーラブルに対応できる。製品体系は次のカテゴリからなっている。
変化に強いサービスインテグレーション基盤
ビジネス戦略の変化にシステムが速やかに対応できるように、既存システムから切り出したサービスや新規サービスを柔軟に組み合わせ、新たなシステムをすばやく構築できるSOAの基盤を提供。BPEL標準に準拠したビジネスプロセス制御や柔軟なサービス連携機能をサポートする。
堅牢で高効率なシステム構築基盤
アプリケーションエラーによるCPUの無限ループ、システムのスローダウンといったトラブルを自ら検知し、自律的に回復する機能を備えたアプリケーションサーバは、今回さらに導入を容易にし、運用コストを低減するための工夫や、システム障害につながるイベントの事前検出と回避のための機能が強化され、一段と堅牢性を増している。また、コンポーネントベースのアプリケーション開発の効率を上げる最新技術をサポートし、開発から運用までを統一された環境で行えるアプリケーションサーバを提供。
ビジネスの迅速な展開を支えるソリューション
ビジネスの迅速な展開を図るためには、IT基盤の強化だけではなく、業務プロセスの効率化やユーザビリティの向上が必要になる。Cosminexusでは、高度な専門スキルを持たないビジネスユーザーでも、Webでの情報発信を効率良く行えるコンテンツ管理や、豊富なテンプレートを備えたカスタマイズ性の高い帳票ワークフローなどのソリューションを提供。これらソリューションはエンタープライズサービスバスを経由してプラガブルに相互連携することも可能である。
以上のようなCosiminexusのコンセプトを実現するため、さまざまな新機能が実装された。以下の図はその新機能や変更点を分類したものだが、今回はそのうちSOA基盤としての変更点を見ていこう。
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