BrocadeのMcDATA買収、そのシナジー効果は(2/3 ページ)

» 2006年08月10日 18時08分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 ウォール街の投資家は、Brocadeのこのニュースを好感しなかったようだ。同社の株価は8日午後に19%下落し、7日終値6.14ドルから4.98ドルへと下がった。

 しかしEnterprise Strategy Groupの上級アナリスト、トニー・アサロ氏は、この買収の可能性に関して少々強気だ。

 「これは賢明な行動だ」とアサロ氏はeWEEKへの電子メールで述べた。「両社には、自らを次のレベルに引き上げる大きな動きが必要だった」

 同氏は、この取引には優れたシナジー効果があると思うと話した。

 「McDATAは通常、Director級スイッチでエンタープライズのハイエンドの方でうまくやっている。Brocadeはややローエンドとミッドレンジシステムが得意だ。両社はより完ぺきなポートフォリオを持つことになる」(同氏)

 後は実行が問題だと同氏は言う。

 「大型合併は常に挑戦だ。両社は最終的には合理化し、整理統合しなければならないだろう。政治的な社内闘争もなく前進し、それを利用して弾みを付けられれば、大きな前進となり得る」(同氏)

 Enterprise Strategy Groupのストレージ担当アナリスト、ブライアン・ベビノ氏は、「両社はライバルであり、大きなシナジー効果がある。Brocadeの目的はMcDATAの顧客に影響を与えずにコスト削減計画を達成することだ」と同意している。

 「またBrocadeは最近、ポートフォリオを拡大して情報管理ソフトを加えた。ファイバチャネルと呼ばれるハード接続技術からの理にかなった多様化だ」と同氏はeWEEKに語った。

 「Brocadeはコスト削減分を新事業に再投資することと、利益を出すことのバランスを取る必要がある。同社が迅速にコストを削減し、その削減分のうち妥当な割合を投資家に還元すれば、ウォール街の不満は緩和されるだろう」(同氏)

 Canaccord Adamsのアナリスト、マーク・ケラハー氏は、シナジーは問題ではないと思うが、McDATAは長い間「難しい」市場ポジションにいたと語る。

 たとえ業界が再編トレンドにあっても、このタイミングとBrocadeが払う上乗せ価格には疑問があると同氏は指摘する。

 「McDATAは(Brocadeと)製品と顧客がほとんど重複しており、急速にBrocadeにシェアを奪われていた」とケラハー氏はMarketWatchに語った。

 「もう6カ月後だったら、McDATAの資産はBrocadeにもっと安く統合されていただろう」(同氏)

 Brocadeのマーケティング担当トム・ブオチーニ氏は、要は「この買収はOEMと顧客により良い製品を提供する」ということだとeWEEKに語った。

 「われわれは4四半期連続で記録的な好業績を達成した。顧客は『もっと速く! もっと遠く!』と求め続けている。今回の取引は、われわれの燃料タンクに前進するための燃料をもっとたくさん詰めてくれる。McDATAは幅広い製品ラインと優れたサービス組織を持つ。われわれは、これはwin-winの状況だと考えている。もっと迅速にもっと優れた製品を市場に出せるようになるからだ」(同氏)

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