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» 2006年08月23日 08時00分 公開

生活経済におけるデジタル諸相2[貨幣のデジタル化とデジタルエコノミー] 第3回:デジタルエコノミーの未来 (1/2)

貨幣のデジタル化が進んだ現代の経済社会は、「デジタルエコノミー」と呼ばれている。現状では、情報技術の進化とともにデジタルマネーがわれわれ生活者の手元にまでやって来ている。デジタルエコノミーの世界は今後、どの方向に向かっていくのだろうか。

[成川泰教(NEC総研),ITmedia]

デジタルエコノミーが向かう先には、大きく分けて二つの方向性があると思われる。

 一つは、貨幣そのもののデジタル化である。いろいろな価値の貨幣への還元性やその流動性が高まる方向は、今後さらに加速することになるだろう。そして、現存するさまざまな貨幣やそれに準ずるものが、究極的には一つの基軸に収束され、統合という方向に少しずつ進んでいくのではないかと考えられる。

 身近な例として、ポイントやマイレージに代表される「企業通貨」がある。これはここ数年、特に日本においてさまざまな形で導入され、そのシステム化が進められている。最近では、業界を超えた連携や統合の試みがなされている。しかし、個人的には、その役割は程なくして本来の貨幣に還元されていくことになると推測している。

 「ロングテール」とも呼ばれる市場の細分化と、情報とともに次々に流行が変化していくトレンドの中で、生活者の特定ブランドに対する忠誠を維持することはもはや困難を極めている。顧客を囲い込む手段として生まれた企業通貨についても、異業種間での互換性を企図する以前に、生活者の希望は貨幣としての価値への還元を求める動きに変わりつつある。

 もう一つは、さまざまなものの価値を貨幣価値に置き換えるに際し、その判断材料として費やされる情報の量が今後さらに増大するということである。

 行き過ぎることは好ましいことではないが、いま現在、金融市況においてはデジタル化された貨幣が、より価値の高い収益をもたらすものを求めて浮動的に偏在している状況にある。そしてその移動を媒介するものとして、デジタル化された情報がますます重要な役割を担うようになっている。両者は、ほんのわずかなタイムラグがあるだけで、同一の事象に連動して世界を駆け巡っている。

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