わずか3週間ばかりの間に、IBMは4社のソフトウェア企業を取得することに成功した。これらの企業は、IBMは全社的な成長戦略とどう関係しているのかを考える。
わずか3週間ばかりの間に、IBMは4社のソフトウェア企業を取得することに成功した。Webify、MRO Software、FileNet、さらにごく最近買収したInternet Security Systems(ISS)の4社である。
バラエティ豊かなこれらの企業を、IBMは全社的な成長戦略にいかにして組み込んでいくのだろうか。
ニューヨーク州アーモンクに本拠を置くIBMは、WebifyおよびFileNetの買収によって同社のオンデマンド情報戦略を、MRO Softwareの買収によって資産およびサービス管理分野を補強しようと考えている。また、13億ドルで取得したISSは、IBMの国際的なセキュリティサービス事業の強化に貢献すると考えられている。
アトランタでビジネスを営むISSは、侵入検知やそのほかのシステムスキャン技術を専門とする、ネットワークセキュリティおよびアプライアンスメーカーだ。同社の買収は、8月23日に明らかにされた。買収契約は第四四半期中に完了する見込みで、その後ISSはIBMの「Global Services」部門に統合される予定である。IBMの関係者は、ISSの合併により、IBMのセキュリティ製品ラインが充実するとの期待を抱いている。
競合するOracleやEMCと同様に、IBMも買収を駆使して事業のてこ入れを図り、セキュリティやそのほかの分野における製品ラインを拡充してきた。だがその一方で、従来の基幹事業では売り上げが伸び悩んでいる。
アナリストの大半はこうした戦略がIBMに成長をもたらすと評価しているが、疑問点がないわけでもないようだ。
IBMがISSを1株当たり28ドルで買収したと報じられた後、ニューヨークにあるJ.P. Morganのアナリスト、ビル・ショープ氏は、「(ISSとの)契約には戦略的な意味があるが、それでもこの買収額は高い部類に入ると思われる」と記した。
「それでもやはり、今回の買収は、170億ドル規模におよぶIBMのソフトウェア部門のさらなる成長につながるだろう。今年6月にも指摘したが、IBMは買収によってソフトウェア事業を拡大させるという傾向を強めている」(ショープ氏)
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